2017 Fiscal Year Research-status Report
ヨーガの介護予防効果の検証;腕時計型脈拍・加速度計による睡眠覚醒リズムに着目して
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17K17508
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
佐々木 晶世 横浜市立大学, 医学部, 助教 (90538018)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 睡眠 / 在宅高齢者 / 身体活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】腕時計型脈拍・加速度計によって測定する、在宅高齢者の日常生活における身体活動時間に着目し、身体活動と睡眠との関連を明らかにする。 【方法】65歳以上の在宅高齢者で自立している者を対象とした。対象者に対し、基本属性、主観的な睡眠の質について質問紙調査を実施した。主観的な睡眠の質については、ピッツバーグ睡眠質問票日本語版(PSQI)を使用した。さらに、身体活動時間と睡眠状態を把握するため、腕時計型脈拍・加速度計(パルセンス®、セイコーエプソン社製)を1週間装着するよう依頼した。 【結果】対象者は、男性16名、女性29名であった。男性より女性の方が有意に平均年齢が若く(p=0.049)、PSQI得点が有意に高かった(p=0.012)。男性に比し、女性の体動あり時間が有意に長く (p=0.013)、深睡眠時間が長い傾向があり(p=0.095)、女性より男性の方が精神負荷時間が長い傾向があった(p=0.066)。さらに、男性では、平均身体負荷時間と平均精神負荷時間(r=0.648、p=0.007)、平均身体負荷時間と平均体動あり時間(r=0.584、p=0.018)にそれぞれ有意な相関が認められた。女性では、平均深睡眠時間と平均身体負荷時間(r=-0.563、p=0.001)、平均深睡眠時間と平均精神負荷時間(r=-0.507、p=0.005)、平均身体負荷時間と平均精神負荷時間(r=0.882、p<0.001)、平均身体負荷時間と平均体動あり時間(r=0.385、p=0.039)で有意な相関がみられた。 【考察】男性は、女性よりも体動あり時間が有意に短く、精神負荷時間が長かった。また、身体負荷時間が長いほど、精神負荷が有意に長くなっていた。男性は、女性のような家事などの身体活動は少ないが、身体負荷や精神負荷のかかる身体活動を女性よりもしていると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、継続して行っている腕時計型脈拍・加速度計による、在宅高齢者の睡眠と身体活動に関する調査の対象者数を増やすことができたことと、次の調査へ向けてのフィールド開拓の準備が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
在宅高齢者での睡眠と身体活動との関連のほか、血圧との関連の分析も行っており、対象者を高血圧の既往または降圧剤服用の有無等のサブグループ解析も視野に入れて研究をすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
新たな腕時計型脈拍・加速度計購入数が予定より少なかったため。次年度は、機器の購入とともに、調査旅費、調査謝金、および成果発表にかかる経費として使用予定である。
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