2018 Fiscal Year Research-status Report
訪問支援のための、統合失調症に対する認知行動療法の開発及び効果検証
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17K17510
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Research Institution | Mie Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
木戸 芳史 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (70610319)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 精神看護学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、本研究のテーマである「訪問支援のための、統合失調症の認知行動療法」の効果を検証するにあたり、介入者(実践者)を養成しするために必要な研修プログラムの開発の洗練を中心に研究を推進した。この過程は、介入者(実践者)の質を一定に担保するために丁寧に実施する必要があり、研究協力者と意見交換をしながら実施した。 後述の進捗状況にて記載した通り、プログラムに必要な要素を研究協力者と検討・開発していくなかで、当初予定の倍のコンテンツが必要との結論に達した。これは、介入の質を担保するためには、講義での学習と同程度に演習(技術の練習と習熟)が必要とされるからであり、この演習を実施するための資料作りが新たな作業として追加された。 この演習資料には、訪問支援の実践においてよくみられる利用者の状況に関する事例(2・3例)、それらの事例に対応した練習用ダイアログ(対人コミュニケーション)の作成、定式化(フォーミュレーション)に必要なワークシートの作成(実践例を含む)、技法の活用に有用なワークシートの作成、などが含まれている。これらは、講義による理論の理解と平行して行われるものとしてプログラムに組み込まれ、「統合失調症の認知行動療法」としての介入の質担保に大きく寄与するものと考えられる。 また、上記以外に、国内学会にて数多くのの研究者と情報交換及び意見交換を行い、特に最近の訪問支援(精神障がい者アウトリーチ、精神科訪問看護)の動向を把握に務めた。精神科訪問看護の量的拡大はさらに進んでいるものの、その技術開発については依然として模索が続いていることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度は「訪問支援のための、統合失調症の認知行動療法」研修資料の開発を推進し、外部専門家によるチェックを済ませた上でプレテストまでを予定していた。 しかし、実践に活用できる(介入者としての質を担保できる)プログラムに必要な要素を研究協力者と検討した結果、当初の予定の倍のコンテンツ(演習を含む)が必要との結論に達した。そのため、プログラムの見直しを含め、開発に時間を要したことが遅れている理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
研修プログラムの開発はドラフト版まで完了しているため、外部専門家によるチェックを前期に済ませ、開発の第一段階を完了させる。その後、倫理審査を受審したうえで、プレテストを1箇所(訪問看護ステーション)にて実施し、必要なプログラム修正を行う予定である。 前期で完成したプログラムを用い、後期からは本介入のリクルートを開始し、準備が整いしだい介入を進める予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度は「訪問支援のための、統合失調症の認知行動療法」研修資料の開発を推進し、外部専門家によるチェックを済ませた上でプレテストまでを予定していたが、実践に活用できる(介入者としての質を担保できる)プログラムに必要な要素を研究協力者と検討した結果、当初の予定の倍のコンテンツ(演習を含む)が必要との結論に達した。そのため、プログラムの見直しを含め、開発に時間を要したため、外部専門家へのコンサルトにかかる経費や、プログラム資料の印刷等にかかる経費、被験者謝礼を含むプレテストに必要な経費等の執行ができなかった。 次年度は、遅れているもののこれらを実行する予定であるため、2018年度に執行しなかった経費が執行される予定である。また、研究プロトコルの出版する計画であり、投稿料が執行される可能性が考えられる。
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Research Products
(1 results)