2022 Fiscal Year Annual Research Report
The Structure of Self-Valuing Consciousness in Daily Life of the Elderly People Living in Nursing Homes with Dementia
Project/Area Number |
17K17512
|
Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
秋定 真有 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (20738546)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 認知症高齢者 / 特別養護老人ホーム / 人生の統合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、人生の統合を支える看護援助モデルの構築に向けて、特別養護老人ホームで暮らす認知症高齢者の自己を価値づける意識の構造を明らかにすることである。 研究開始初年度に、人生の統合を支える看護援助モデルの構築に必要な要素を抽出するために文献検討を実施した。文献検討では、老年期を生きる高齢者は、人生の統合に向かって最期まで自分らしく生きるために、生活する場や自分を取り囲む人との関係の中で、自らの生と死について考え、生きる意味を探し、生きる支えを持ちながら生きていることが明らかとなった。この結果を踏まえ、研究者および協力者間で研究テーマ・目的の洗練化を行い、特別養護老人ホームで暮らす高齢者が生きる支えをもてるための看護援助モデルの構築とすることへと研究目的を軌道修正した。これまでに、特別養護老人ホームに入居する認知症を有する高齢者を対象とし、各対象者に対する複数回のインタビューを実施しデータを収集した。インタービューデータの分析結果では、「安心し過ごせる日常が保証された環境」、「老いる自分を容認する心」などの6つのカテゴリーが抽出された。 これらの分析結果からは、認知症を有する高齢者にとって、心身の老化や認知症症状の進行を自覚し喪失体験をしながらも、施設で最期の時まで安心したケアを受けられる実感があることで、自身の心身の機能の衰退を自覚しながらも、自分の老いを受容し自身が最期までどうあるべきかを前向きに捉え生活することができていることが示唆された。加えて、特別養護老人ホームで暮らす認知症高齢者が人生の統合を促進させるためには、生きる支えもつ重要性が明らかとなった。
|