2017 Fiscal Year Research-status Report
精神疾患をもつ人々のポジティブな心理的変容は促進されるか:無作為化比較試験
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17K17513
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
千葉 理恵 兵庫県立大学, 地域ケア開発研究所, 准教授 (50645075)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 介入研究 / 精神看護学 / ベネフィット・ファインディング / リカバリー / ストレスマネジメント / 精神疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
作成したベネフィット・ファインディング促進プログラムは、ストレスマネジメントや、精神疾患を経験してからこれまでの道のりについて振り返りベネフィット・ファインディングについて考える内容、呼吸法などで構成したものであり、プログラム内容に合わせて作成したワークブック精神看護学を専門とする研究者と精神疾患を有するピアサポーターの助言を得て修正し、洗練させた。 また、介入効果の評価の一つにウェルビーイングを含めることとし、ウェルビーイング評価尺度の文献レビューを行って学会発表した。 パイロットスタディは、兵庫県内の社会福祉施設1か所を対象施設として実施した。介入は1回90分、全8回、約2か月間の期間でグループセッションにより行い、研究者とピアサポーター1名により実施した。対象者は、20歳以上で精神疾患をもつ者とした。セッションでは、その日の内容に合わせて参加者が自由に話すことができ、ワークブックに記入することもできるようにした。パイロットスタディに参加したのは7名(男性5名、女性2名)で、そのうち、5回以上のセッションに参加した者は6名であった。 最終回のセッションでは、プログラムを通して学んだことや感想などについて話し合った。また、ベースライン時および介入終了時の2時点で自記式調査票による調査を行った。検討の結果、プログラムの実施可能性は高いと考えられ、ベネフィット・ファインディング促進効果が期待できることが示唆された。今後は無作為化比較試験を実施し、介入効果の検討を進めていく予定である。 また、ベネフィット・ファインディングを専門職者が支援するためには、専門職者がリカバリー志向性を有していることが重要であると考えられたため、すでに得ていたデータをもとに、専門職者のリカバリー志向性を評価する尺度の日本語版の信頼性・妥当性について検討し、論文発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、パイロットスタディを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究協力者と協働しながら多施設での無作為化比較試験を実施し、学会発表、論文作成等も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
投稿中の論文が昨年度中に受理に至らなかったため残額が生じたが、次年度は論文掲載料を含め、計画的に使用していく。
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Research Products
(3 results)