2019 Fiscal Year Annual Research Report
The effectiveness of the group psychoeducation program combining individual support for patients with bipolar disorder
Project/Area Number |
17K17518
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
岡田 昌也 杏林大学, 保健学部, 非常勤講師 (90759854)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 双極性障害 / 心理教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
双極性障害の治療は薬物療法が主軸となるがさらなる安定を図るため心理教育が重要である。治療ガイドラインにおいても再発率が高さから維持療法として心理教育が推奨されている。本研究の目的は心理教育プログラムの有効性の検討と集団心理教育における個別面接の役割を明らかにすることである。 研究対象者は1)DSM-5で双極性障害と診断された者、2)20歳から65歳までの者、3)過去6カ月CGI-BP3以下(抑うつまたは躁が軽度)の者とした。講義とディスカッションで構成された心理教育プログラムを週1回90分、全9回実施した。またプログラム前・中・後で30分の症状管理方法、プログラムの疑問点等について半構造化した個別面接を実施した。プログラム実施前6ヵ月と実施後1年間の再発までの期間を調査した。またプログラム前後にMADRS、YMRS、GAF、SAI-J、BEMIBを用いて測定しWilcoxonの符号順位検定を行い有意水準をp<0.05とした。個別面接の役割は集団心理教育の観察記録、および開始前・中間・終了後の面接記録から個別面接の役割を考察した。 研究対象者は7名(男性4名、女性3名、年齢52.0±4.9歳)であった。再発までの期間は実施前で6か月以内に全例が再発しており、実施後で3例に1年間再発がなかった。またプログラム前後でSAI-J (10.7±2.4から13.1±1.2)、GAF(54.5±2.6から59.7±4.8)に有意差がみられ、その他の尺度では有意差はみられなかった。 症例数が少なく限定的な結果ではあるが、本プログラムは再発までの期間を延長させる可能性とともに病識や心理社会機能に有効に働く可能性が示唆された。今後症例数を増やし病状やアドヒアランスへの有効性についても検証していく必要がある。また個別面接は参加者個々のニーズや支援に対応することで集団プログラムを補う役割が考えられた。
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