2017 Fiscal Year Research-status Report
入退院する統合失調症患者に対する地域定着に向けた病院看護師による支援の構造
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17K17523
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
牧 茂義 椙山女学園大学, 看護学部, 助教 (90783415)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 再入院 / 地域定着 / 地域移行 / 統合失調症 / 病院看護師 / 支援構造 / 関連要因 / 看護実践 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,再入院する統合失調症患者の地域定着に向けた病院看護師による支援の因子構造とその関連要因を明らかにすることである。 平成29年度は我々が行った質的研究の結果および文献検討をもとに,『統合失調症患者の地域定着に向けた病院看護師による支援に関する質問項目』を独自に作成した。独自の質問項目に,エッセン精神科病棟風土評価尺度日本語版(EssenCES-JPN),Linkスティグマ尺度,Rumination-Reflection Questionnaire日本語版の一部(『省察』の下位尺度),看護実践の卓越性自己評価尺度―病棟看護師用―,看護師の属性,看護師が勤務する病棟の体制や看護提供システムを尋ねる項目を加えて,自記式質問紙調査票(以下,調査票)を作成した。 本研究では,精神科で勤務する病院看護師を対象にした横断調査を実施した。全国の精神科病院および精神科を主な診療科とする病院に,研究協力の依頼文書を郵送し,40施設から研究協力の承諾が得られた。40施設の看護部長に対して,勤務する看護師へ調査票を配布することを依頼し,822名の看護師から研究協力の同意と調査票の返信が得られた。研究に協力した看護師は,417名が都道府県立または独立行政法人,29名が公益法人,376名が医療法人の病院に勤務していた。 現在,返信された調査票の集計を終え,データ分析をすすめる段階にある。次年度は,分析を進め,研究の成果を学会や論文において発表していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究の経過として,平成28年12月において,所属施設の倫理審査委員会から研究実施の承認を受けた。平成29年2月に精神科を主な診療科とする病院から研究協力の承諾を受け,2~3月に調査を実施した。上記は,計画した通りの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は統計解析ソフトSPSSを用いて分析を進め,英文論文を作成し投稿していく。 具体的には,『統合失調症患者の地域定着に向けた病院看護師による支援に関する質問項目』の探索的因子分析を進めていく。また,『統合失調症患者の地域定着に向けた病院看護師による支援に関する質問項目』を従属変数とし,調査票から得られた他のデータを独立変数とした重回帰分析などをすすめていく。 上記の成果を学会や英文論文において発表する予定である。
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Causes of Carryover |
平成29年度において,旅費および調査票などの印刷費が計画していた金額を大幅に超えてしまった。そのため,調査票の準備や調査データの集計のために計上していた人件費を削り,これらの作業を研究者自身が行った。物品費においても,より安価のものの購入に充てた。そのため,次年度使用額が生じた。 研究の過程で,計画当初に考えていた分析以外の分析(共分散構造分析)を行うことができる可能性が考えられた。しかし,その分析は既存の設備では不可能である。次年度使用額を一部として,統計解析ソフトの購入を計画している。
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