2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the phisical exercise program for inpatients with schizophrenia to improve neurocognitive function
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17K17529
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
紅林 佑介 新潟医療福祉大学, 看護学部, 講師 (10636559)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 認知機能 / 実行機能 / 処理速度 / 実行機能 / 運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
統合失調症患者の社会復帰を進める上で、認知機能を高めることが必要である。今回、運動介入に着目し、入院患者への運動プログラムを開発し、これらの介入によって認知機能が改善するかを検証した。 運動プログラムを開発する前の段階として、先駆的に外来患者への運動介入を実践しているUCLAの精神医学教室へ視察し、その運用の実際をみさせてもらい、本研究の対象である入院患者用の運動プログラムの開発の参考にさせてもらった。 その後、精神科病院2施設を研究施設とし、入院患者へ介入研究を実施した。病棟単位で、通常治療群(TAU群)と、通常治療に加えて本運動プログラムの介入群に無作為に割りつけたうえで、研究を2か月間施行した。運動プログラムは、通常の運動強度より比較的軽度なものとし、1回45分間、週に2回、8週間実施した。主要評価項目は、Cognitrax Basic Versionで測定した認知機能の変化量(フォローアップ後からベースライン時の値を引いた値)とした。Cognitarax Basic Versionは、認知機能の総合点のみでなく、11の認知絹領域も測定でき、これらの値は健常者の平均が100、1標準偏差が15となるように標準化される。つまり、加齢による変化を除した値が得られる。 その結果、TAU群に比して、介入群の方が複数の認知機能領域で改善していた。 これらから、運動強度が比較的軽度な運動の場合でも、入院患者の認知機能を改善させる可能性が示唆された。
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