2018 Fiscal Year Research-status Report
退院支援の質向上を目指した病棟看護師教育プログラムの開発
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17K17533
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
進藤 真由美 山形大学, 医学部, 助教 (30638523)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 継続看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
病棟看護師の退院支援実践向上のために、訪問看護との連携時の退院前後での看護情報の伝達・共有の機会から学びを得られる実践型の教育プログラム構築に向け、現状把握を行った。 前年度までに、訪問看護の現状について調査を行ったため、今年度は病棟での現状把握を予定した。系統的な調査には至らなかったが、病棟でのフィールドワークを行い複数事例に対して退院支援を実践した。 期間は2018年4月から9月の6か月で、6名の患者を担当し継続して支援を行った。研究者が以前勤務したことがある病棟で、院内統一の退院支援スクリーニングでリスクありと判定された事例に対して、プライマリー看護師として継続した介入を行った。うち1事例については、自宅で転倒し顔面を強打、受傷に至った事例であった為、自力歩行可能な状態での退院ではあったが地域包括支援センターへの情報提供と本人・家族へのセンターの紹介を行った。スクリーニングでは浮かびにくい独居高齢者の潜在的リスクへの対応について実践する機会となった。別の事例では、タイムリーな支援の実際(転棟翌日の転院に向けた情報提供準備や移送車の手配)も実践したことで、病棟看護師が退院支援を実践する際の困難についても体験できた。退院後に訪問看護を利用する事例は1事例のみであったが、退院前共同指導の際にはリハビリテーションや病棟での実際の移乗状況、本人家族への病状説明内容と理解状況などを直接対面して情報提供することができた。 汎用性のある退院支援のルールやシステムでは、高度専門治療を要する急性期病院の診療科毎の特性を捉えた支援を網羅できず、結果として支援を受けることなく退院を迎える患者も少なくないと思われる。支援当事者の困り事やニーズに対応できる教育研修プログラムを作成する為には、プログラム構築の段階から現場の当事者に積極的に介入してもらえるよう配慮していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究者の本務多忙の為、病棟看護師への現状調査が予定通り完了できず、教育プログラム案の構築に至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
30年度に実施できなかった部分については、現在既に着手しており調査結果の分析から速やかにプログラム案の作成を行う。教育プログラムについては既に2カ所のフィールドで運用許可を得ている為、2019年度中に当事者を含めたチームを立ち上げ、作成、試用し実用上の課題点のあぶり出しを行う。
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Causes of Carryover |
30年度に予定していた病棟看護師の現状把握に関する詳細の調査が実施できなかったため、次年度使用額が発生した。繰越額は、調査実施のための物品調達や分析用の備品購入に使用する。
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