2017 Fiscal Year Research-status Report
30歳代男性の生活習慣病予防のための対話型健康学習支援ツールの開発
Project/Area Number |
17K17535
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 悟子 千葉大学, 大学院看護学研究科, 助教 (10780512)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 健康学習 / ライフストーリー / 生活習慣病予防 / 30歳代男性 / 健康教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、30歳代男性の生活習慣病予防のためのライフストーリーを用いた対話型健康学習支援ツールの開発と検証である。働き盛りであり、子育て世代でもある30歳代への生活習慣病予防のための支援は、短時間で少ない回数での実施により、効果を上げることが期待される。ライフストーリーを用いた対話を通じ健康学習サイクルの進展を促す支援指針による支援を受けた対象者には、自ら健康学習に取り組む様子や、行動変容ステージの改善、BMIの減少等の一定の成果が得られた。その指針を元に企業や市町村等の経験年数の多様な保健指導実施者が使用可能な汎用性の高い健康学習支援ツールを開発し、実用性を検証する。 本研究は、3つの研究により構成されており、3年間の研究期間において段階的に実施する。平成29年度は、初年度として支援指針に基づく支援から対話型健康学習支援ツールの要素を明らかにするための調査を行った。調査対象者は、①企業や市町村等において30歳代男性に健康診断後の保健指導に熟練し、調査協力に同意が得られた保健指導者7名、②保健指導の対象者となる30歳代男性メタボリックシンドローム(以下、MetSとする)予備群・該当者11名である。保健指導者は、先行研究で作成したライフストーリーを用いた健康学習サイクルの進展を促す支援指針を用いる支援を30歳代男性MetS予備群・該当者1~2名へ実施した。その際、保健指導者と対象者の両者の承諾を得た上で、支援中の対話の録音を行った。録音を逐語録に書き起こしたものを保健指導者に見せ、支援時の意図についてのインタビュー調査を行った。 これらの調査結果を基に、保健指導者と対象者との対話と、その時の保健指導者の意図から、健康学習サイクルの進展を促す有効な支援に必要な対話型健康学習支援ツールの要素の特定のための分析を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定よりは対象者数は減ったものの、複数の保健指導者と30歳代男性との保健指導の中で行われる対話と、それを補足する保健指導者へのインタビューからは、対話型健康学習支援ツールの要素に含まれるアセスメント項目、具体的な支援内容、評価指標となる支援実施により学習サイクルが進展したと確認できる対象者の変化が得られたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に得られた結果を基に、研究2として対話型健康学習支援ツールの作成と、実用化に向けて洗練を行う。洗練のための調査には、研究1で協力を得た施設や保健指導者から継続しての協力を得ていく。また研究3として実施予定である対話型健康学習支援ツールの検証に向けて、現在協力が得られている施設の他にも、複数の調査協力可能な施設が得られるよう、対象となる施設の検索と依頼を並行して行っていく。
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Causes of Carryover |
調査協力を得られた保健指導者への謝金を想定していたが、保健指導者の所属施設の方針により謝金が不要となった。また、比較的近隣の施設に協力が得られたため、想定より旅費がかからなかった。 今年度は、研究成果の公表が十分にできなかったため、国内外への成果発表を行うための交通費等で使用する。
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Research Products
(1 results)