2017 Fiscal Year Annual Research Report
助産師の虐待ハイリスク妊産婦に対する地域連携に関する困難尺度の開発
Project/Area Number |
17K17543
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
三浦 真依 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (20743660)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 助産師 / 特定妊婦 / 公衆衛生看護学 / 地域連携 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠期からの児童虐待防止対策が推進され、連携は一層重要である。助産師の地域連携の困難を評価し問題点を明確にすることで、虐待ハイリスク妊産婦への適切な地域連携が促進されると考えた。本研究の目的は、助産師の虐待ハイリスク妊産婦に対する地域連携に関する困難感の評価尺度を開発し、信頼性・妥当性を検証することとした。 第1段階は、文献検討とインタビュー調査から、53項目5件法の尺度原案を作成した。第2段階は、A県の助産師133名へパイロット調査を行い、信頼性と妥当性を検討し4因子30項目の尺度案を作成した。第3段階は、A県の全数調査として分娩取り扱いのある施設の助産師1470名へ本調査し、尺度の信頼性と妥当性を検討した。探索的因子分析の結果、「他機関・他職種との地域連携体制の不足」「自施設の地域連携体制の不足」「地域連携業務の負担における個人の認識の違い」の3因子25項目で最適解を得た。尺度全体のCronbachα係数は0.900、第1~3因子は0.769~0.853であった。既存尺度の「臨床看護職者の仕事ストレッサー測定尺度(Nursing Job Stressor Scale)」の総得点および地域連携の実践の程度(Visual Analog Scale)と本尺度の総得点には有意な相関があり(p<0.01)併存妥当性が見られた。先行研究の「助産師と保健師の連携システム」の構造と3因子を比較すると、それぞれ困難として表現され、3因子は助産師が抱く地域連携業務の特徴を反映していると考えられた。 本尺度は必要な手続きを経て開発された。主として集団での活用を考えており、看護管理者が助産師に調査し、自施設の傾向を把握することで、その改善策の実施につながる可能性がある。また、調査結果を自分で知ることができれば、助産師自身が困難を認識でき、各自の研修受講や職場の改善の動機づけになることも考えられる。
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