2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on care by nurses based on narratives of ASD patients
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17K17544
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Research Institution | Ishikawa Prefectural Nursing University |
Principal Investigator |
大江 真吾 石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (50611266)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自閉スペクトラム症 / 看護ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
ASD患者4名と看護師8名を対象者とした。その結果、ASD患者から語られた場面は、【対人関係場面】、【日常生活場面】、【セルフケア能力に関する場面】、【退院支援に関する場面】、【精神的不調の場面】の5つに整理できた。また、両者に生じたかかわりの意図のズレを検討した結果、【看護師からの言葉は理解できるが、そこに含まれる意図を考えない】、【看護師からの明確な言葉がないことによって、その奥にある意図が分からない】、【先を見据えることによって、現状への視点が薄れている】、【複数の意図のうち、一つは認識できる】、【前向きなとらえによって具体性が失われる】、【誤った言葉の意味の推測によって、異なる意図が作られる】、【患者の認識と看護師の意図が一致している】に整理された。ASD患者が望むかかわりと看護師のかかわりの修正について整理した結果、【タイミングの良い具体的な言葉かけ】、【希望を受け入れてほしいという患者の思いをふまえた、看護師の意図の理解を促す言葉かけ】、【患者の頑張りを支持し、今後への助言】、【モチベーションをもてる言葉かけと行動振り返りの促し】、【看護師の意図が理解できていないことに起因するニーズ不足に対して、具体的で継続的にかかわる】、【看護師の意図を十分に理解できていないことに起因するニーズ不足に対して、一定の理解が得られていることをふまえた継続的なかかわり】、【看護師の意図を理解しているため、かかわりの修正は必要がない】に整理された。 考察:場面はASD患者に特有のものでは無かった。生じたズレでは、具体的な言葉がないことでによって生じていたが、ASDに特有なコミュニケーションの質的な障害が示唆された。ニーズとかかわりの修正では具体的な言葉かけと頑張りを支持するなどの患者のモチベーションを挙げるかかわりの必要性が示唆された。
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