2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development and effectiveness of an educational program to prevent of child abuse for infant
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17K17554
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
足立 安正 摂南大学, 看護学部, 講師 (20708490)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 父親 / 育児 / 出産前教育 / 育児不安 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、児童虐待の中でも特に死亡事例の多い0 歳児の虐待に焦点をあて、0 歳児をもつ父親に対する教育プログラムを開発し、その効果を検証することである。プログラム開発にあたっては0歳児の児童虐待の多くが母親によるものであることと、父親の育児参加の少なさに着目し、父親の直接的な育児行動が少ないという手段的サポートの少なさが、母親の育児不安の増大へとつながり、母親による児童虐待(不適切な養育)へとつながることを想定した。本研究の調査結果から、母親の育児不安に対して父親の要因は直接的な関連がなかったものの、初めての子どもの場合には、母親の休日の育児時間の短さと自信のなさが、2人目以降の場合には育児負担感が育児不安に影響していた。一方で、全国の市区町村が実施する出産前準備教育の調査を実施した結果、69.4%の自治体で両親・妊婦学級が実施されていたものの、妊婦の受講状況は妊娠届出数の22.4%、パートナーは12.3%にとどまっていることが明らかになった。そこで、教育プログラムの内容としては、母親の育児負担感および育児に対する自信のなさを改善させるために、0歳児に対する育児技術として入浴、授乳、オムツ交換に焦点をあて、それらの育児手技だけでなく準備から実施・後片付けまでの一連の育児行動を演習形式で学ぶ内容とした。本プログラムを9組の夫婦(うち3組はパートナーのみ)を対象に実施した。その結果、プログラム実施後にはパートナーは「良い経験になった」「出産後の育児をイメージすることができた」「(妻と)一緒に難しい子育てを楽しんでいきたい」と子育てを前向きに捉えることができており、妊婦も「夫婦で勉強ができて良かった」「夫婦で一緒に楽しめた」と子育てを夫婦で共有することの大切さの気づきを得ることができた。
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