2018 Fiscal Year Research-status Report
V&V of Interfacial Transport Mechanisms for Advanced Thermal-Hydraulic Analysis
Project/Area Number |
17K17562
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三輪 修一郎 北海道大学, 工学研究院, 助教 (00705288)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱流体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
三次元熱流体シミュレーション技術は原子炉の安全性を評価する上で重要な解析手法として知られており、演算処理性能の向上により詳細な計算が可能となった今日、著しい発展を遂げている。しかしながら、本シミュレーション手法が原子炉設計・安全評価における根幹技術として認知されるには高精度の実験データを基にしたモデル検証(Verification)と妥当性確認(Validation)が重要となる。この評価方法を、(それぞれの頭文字から)V&V標準と呼び、解析の「品質」を評価する上での重要な指針となっている。本研究提案である気液界面輸送機構V&Vによる次世代熱流体解析手法の高度化においては、原子炉実機相当の流れ場における局所ボイド率ならびに界面積濃度の測定と、既存の二相流モデルのV&V検証を実施した。 初年度には沸騰水型原子炉(BWR)実機相当の流れ場をラボスケールで仕上げんするための試験装置を構築し、室温にて高温高圧の流れ場再現が可能な試験装置を構築した。これは、実験室にて使用する流体と装置寸法を、実機データ(高温高圧蒸気)を用いたスケール則に基づいて決定することで可能となる。本試験装置に用いた二相インジェクターは4つの独立した弁を有し、不均一な流体注入を可能とした。2年目にはマルチセンサープローブを用い、局所ボイド率、界面積濃度の計測を行い、幅広い流動様式における局所データベースを構築した。 本データべースと界面積濃度輸送方程式との比較検証から、高温高圧条件においては現在使用されている輸送項の修正が必要であることが示唆され、修正案を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
申請当初に計画していた六フッ化硫黄は大気開放が禁じられている温室効果ガスであり、本助成配分額内での安全系整備が困難であることが判明した。従って、代替ガスを使用した上でのデータベース構築を実施することとなった。これにより生じた遅延から、3年目により詳細な追加データを取得し、既存のモデルとのV&Vを継続する計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
本助成期間にて構築した実験装置ならびに計測手法により、気泡流・スラグ流領域での局所データベースの取得を継続する。特に、不均一な二相流注入によるデータ取得が不完全であるため、導入済みの二相インジェクタの形状を改良した上での局所パラメータ計測を実施する。また、既に考量されている既存の気泡相互作用モデルの検証を実施し、V&V基準の誤差解析とパラメーター解析を実施する。
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Causes of Carryover |
申請当初に計画していた六フッ化硫黄は大気開放が禁じられている温室効果ガスであり、本助成配分額内での安全系整備が困難であることが判明した。従って、代替ガスを使用した上でのデータベース構築を実施することとなった。これにより生じた遅延から、3年目により詳細な追加データを取得し、既存のモデルとのV&Vを継続する計画である。 次年度使用額については、実験装置入口部のインジェクタ改良に用いる予定である。
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