2018 Fiscal Year Research-status Report
網膜循環における網膜血管内皮細胞の新たな重要性をトロンビンを用いて検討
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17K17572
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高橋 賢伍 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (40646064)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | PARs / PAR-1 / 網膜循環 / 網膜動脈 / 微小循環 / 網膜静脈分枝閉塞症 |
Outline of Annual Research Achievements |
豚網膜摘出血管を用いて、網膜動脈対するトロンビンの反応について、血管外からのトロンビン投与で起こる動脈収縮については、Protase activated receptor(PAR)-1を介しPKCおよびROCKが関与により起こること、また、PAR-2、およびPAR-4は介していないことことを明らかにした。また、血管外からの高濃度トロンビンによる血管弛緩反応は血管内皮のeNOSを介していることを明らかにした。更に、PAR-1を介した収縮反応は血管内からは起こらず、血液網膜関門によりブロックされることをまとめて、 Thrombin-Induced Responses Via Protease-Activated Receptor 1 Blocked by the Endothelium on Isolated Porcine Retina Arterioles”(Takahashi K*, Omae T, Ono S, Kamiya T, Tanner A, Yoshida A, Curr Eye Res. 2018)として、英語論文として、投稿し受理された。 また、現在は硝子体中トロンビン濃度の上昇が既報にある網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)の患者における網膜静脈の血流データを収集し、BRVOにおける網膜静脈血流の低下については血流速度よりも血管径の変化が関与していることが示唆させれることを2019日本眼科学会総会にて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年秋に旭川医科大学の大学院を卒業し、研究活動以外の医師としての仕事が増えたこと、また、現在PAR-1ノックアウトマウスを香川大学よりご提供いただく予定となっていたが、旭川医科大学の動物実験施設の建て替えが行われていることに伴い、旭川医科大学への持ち込みが遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
トロンビンの硝子体濃度が上昇していると報告されている、網膜静脈分枝閉塞症の網膜血流を評価したデータを解析し、トロンビンが関与の可能性を検討の上、基礎研究へフィードバックする。それを進めながら、PAR-1ノックアウトマウスの旭川医大学へ持ち込みを進める。
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Causes of Carryover |
前年度購入予定だったPCの購入が、本年度になったこと、また、本年度参加予定だった国際学会に参加しなかったことが原因と考えられる。
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