2018 Fiscal Year Research-status Report
時計遺伝子発現に基づく乳癌の浸潤性増殖機構とその制御
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17K17575
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
呉 雲燕 弘前大学, 医学研究科, 助教 (40636586)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / 乳癌 / 癌微小環境 / 脈管新生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、がん細胞増殖・がん細胞と間質の相互作用・腫瘍脈管新生機序における時計遺伝子の役割を解析し、がんの浸潤性増殖機構の解明を目的とする。近年、時計遺伝子の発現異常が様々ながんの発症に関与していることが注目される。この考えに基づき、がんの悪性形質を制御する時計遺伝子の機能を明らかにすることによって、時計遺伝子をターゲットとした抗がん剤の概念を構築することを目的とする。 (1) ヒト癌細胞(PC-3 細胞)において、時計遺伝子発現制御を行い、上皮ー間葉移行(Epithelial-mesenchymal transition, EMT)への影響を検討した。DEC1 は Smad2 のリン酸化活性を制御することによって、Transforming growth factor (TGF)-β の添加により誘導された EMT をさらに促進することが証明された。一方 DEC2 は TGF-β による誘導された EMT への抑制効果が示された。 (2) DEC1 および DEC2 によるアポトーシスへの作用機構を明らかにすることができた。ヒト癌細胞(LNCaP clone FGC)で、DEC1 はミトコンドリアタンパク質である Bcl-xL の発現を抑制することによってアポトーシス効果を示した。DEC2 は、抗アポトーシス効果を示すとともに、抗がん剤 paclitaxel による抑制された細胞活性(cell viability)が回復する作用を有することが証明された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、ヒト癌細胞において、時計遺伝子 DEC による上皮‐間葉転換、アポトーシスへの制御機構を解明することができた。リンパ管・血管を有する三次元培養モデルでの時計遺伝子の機能評価に関しては、現在進行中であり、徐々に成果が出つつある。総合的に判断すると「おおむね順調に進展している」といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は、平成30年度からの継続として、三次元培養モデル上 DEC 遺伝子の発現制御による腫瘍細胞浸潤・増殖能の評価解析をしつつ、さらに明暗条件下で飼育したマウスモデルで抗がん剤の抗腫瘍効果判定を行いたい。
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Research Products
(6 results)