2018 Fiscal Year Research-status Report
保育学生対象のティーチャートレーニングが幼児に対する認知・行動に及ぼす影響
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17K17577
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松田 侑子 弘前大学, 教育学部, 講師 (10598717)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ティーチャートレーニング / 保育学生 / 効果測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度においては,平成29年度から開始した,保育学生を対象としたティーチャートレーニングの介入を引き続き行った。具体的には,教育的な機会を同等に用意する配慮から,すでに実施済みの介入群と同じ介入を,ウェイティングリスト群にも行った。 その結果,ティーチャートレーニングによって,主に,ほめることやスキンシップをとることを中心とした対人報酬的なスキルが高まることが明らかとなった。また,負の罰に基づく不適切な行動への注目を除去するスキルも同様に高まっていた。応用行動分析的な知識に関する得点にも有意な向上が認められている点や,場面想定による行動レパートリーの案出の内容を考慮すると,今回実施したティーチャートレーニングは総じて,保育学生に対して概ね有効であったと考えられる。 特に,不適切な行動への注目除去は,子どもへの注目が常に意識される保育学生にとっては新奇なスキルになるといえるだろう。従って,行動のレパートリーが増え,対応が多様化する点において,有意義と考えられる。 介入群・ウェイティングリスト群への各介入後に,調査への同意が得られた学生には面接調査を行い,ティーチャートレーニングの学びが,子どもの行動の見立てや,保育者としての意識にどのような変容をもたらしたのかについてデータを収集した。また,介入群・ウェイティングリスト群に対して,効果維持のためのフォローアップセッションも実施した。これらについては,今後データを整理して分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおよそ申請した計画通りに進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
介入を行った上で挙げられうる課題としては,ティーチャートレーニングに特化した効果指標が存在しないことである。従って,新たな尺度を作成することも視野に入れながら,今年度の研究を進める。
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Causes of Carryover |
平成29年度に国際学会への参加を行わなかったため,その分の平成30年度への繰り越しがあったことが主たる理由である。PCの購入と,面接データの逐語録作成のために使用する予定である。
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Research Products
(1 results)