2020 Fiscal Year Research-status Report
保育学生対象のティーチャートレーニングが幼児に対する認知・行動に及ぼす影響
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17K17577
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
松田 侑子 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (10598717)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ティーチャートレーニング / 保育学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,保育学生を対象とした,応用行動分析に基づくTeacher Trainingを実施し,関連する知識やスキルに生じる変化を明らかにすることである。これを通じて,保育現場への導入についての示唆を得ることを目指している。 これまでに,Teacher Trainingによる介入の効果を量的・質的な側面から検討してきたが,Teacher Trainingで扱われたスキル(例えば「ほめる」「不適切行動の無視」「指示」)を測定するために,本研究では保護者対象の既存尺度を代用するという課題を残した。今後Teacher Trainingに関する研究を活性化し,保育の現場に普及させていく上で,適切な効果指標を作成することは不可欠であると考えられるため,2020年度はスキルの習得を捉えることができるチェックリストの予備項目を作成した。 作成に当たっては,Teacher Trainingに関する先行実践で扱われていた内容である,三項随伴性や行動随伴性といった「応用行動分析の基礎」,「行動の分類」,「注目する」,「ほめる」,「指示」,「注目の除去」に加え,「一貫性のなさ」「ネガティブな関わり」といったTeacher Trainingでは望ましくないとされるスキルに関する記述・内容を収集した。Teacher TrainingやParent Trainingの研究実績を持つ心理学研究者1名と,Parent Trainingの実践経験がある1名,公認心理師・臨床心理士の有資格者1名,保育経験のある1名の計4名に,Teacher Trainingの内容を網羅し,その効果を測定する上で妥当であるかどうかを確認してもらった。以上の手続きを経て,最終的には63項目を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
介入に関する計画そのものや,学会発表・論文投稿などの成果報告は当初の予定以上に円滑に進められた。しかし,介入を行った結果として残された,更なる課題についての検討に関しては,新型コロナウィルス感染拡大により調査の準備に時間を要した。全体的な進捗としては当初の予定より若干遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
Teacher Trainingで扱うスキルを測定するチェックリストの予備項目が収集されたため,今後は外部委託によるweb調査を利用し,信頼性・妥当性を有する尺度を作成することとしている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大により,残された調査研究を行うための準備や調整に遅れが生じた。安定的に十分なデータを得るために,次年度にweb調査を実施する方向で検討し,必要分の予算を残した。
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