2021 Fiscal Year Annual Research Report
Omics Profiles of Fecal Microbiota Change in Irritable Bowel Syndrome Patients with Diarrhea and Symptom Exacerbation
Project/Area Number |
17K17584
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 由佳里 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (50721453)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 過敏性腸症候群 / 腸内細菌叢 / 神経伝達物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
健常者 40 名、下痢型過敏性腸症候群(IBS) 患者43 名 (全員男性)について、通常排便時並びに、IBS群では更に腹部症状出現時に収集した糞便について、16S リボソームDNAをIllumina Miseq による配列決定データ、CE-TOFMSを用いてメタボローム解析を行ったデータをこれまで得てきた。また上記サンプルのうち、各群15名について日本学術振興会先進ゲノムでご採択頂き16SリボソームRNAを用いたIlpumina Hiseqでのメタトランスクリプトームデータについて、今年度は特にIBS患者が腹痛・下痢症状のない通常排便時と、腹部症状出現時の腸内細菌叢の転写活性について詳細な検討を行った。16SリボソームRNAは細菌叢の分布を表すには適当であるが、それぞれの細菌叢の活性については情報がない。メタトランスクリプトーム解析で得られたデータを用いて、IBS群内の症状出現有・無群比較を施行した。Wilcoxon 符号順位検定では、以下の値について有意差を示した;Inositol degradation p = 0.012, Butyrate synthesis II p = 0.008, Tryptophan synthesis p = 0.389, GABA synthesis III p = 0.030, Menaquinone synthesis p = 0.035, Propionate synthesis II p = 0.026。これまでは世界でIBSの16SリボソームRNAを用いた細菌叢解析報告が多数なされるも、宿主と腸内細菌との情報授受に関する報告はなされていなかった。本研究により、IBSにおいて宿主側と腸管上皮を介した何らかのシグナル伝達が腹部症状出現時になされている可能性が示唆された。
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