2018 Fiscal Year Annual Research Report
The Urban Design Method of Mishima Michitsune
Project/Area Number |
17K17599
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 宗則 東北大学, 工学研究科, 助教 (00715906)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 三島通庸 / 都市計画 / 都市デザイン / 景観計画 / 擬洋風建築 / 都城 / 山形 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代日本の内務官僚である三島通庸(1835-1888)の都市計画分野への貢献に焦点をあて、彼の都市計画手法を明らかにすることを目的としている。 三島が行った都市計画に対して、郷土史・絵図・新聞記事等の収集、およびまちづくり団体へのヒアリングや現地調査により、基礎情報の整理を行った。その中で、三島が手がけた最初の都市計画とされる上荘内郷および三股郷の建設において、その後の都市計画手法との類似が多く認められることを明らかにした。一方で、幹線道路等、主要な道路の突き当たりに建築物を配置する手法は、三島が関与した都市計画において多く認められる構成であるが、上荘内郷ではその建築物として神社が配置されたのに対して、その後の都市計画では県庁舎や農場を経営する事務所といった建築物が配置されるという相違も確認された。 また、三島の建築を含めた都市計画手法を考察するために、三島が山形県令を務めた期間に建てられた学校・警察署・郡役所の立面に焦点を当てた分析を行った。対象とした全建築物において、玄関ポーチと門が正対する構図が読み取れ、都市計画手法と相似的な構成を示していることを指摘した。一方で、これらの分析対象は、大半が洋風の建築物として建設されたが、意匠面での明瞭な統一は認められないことを確認した。 その他、まちづくり団体へのヒアリングにより、三島が建設した都市を地域資源として捉え、今後のまちづくりに活用する動きが生まれていることを確認した。
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