2018 Fiscal Year Research-status Report
漢字パターン認知に着目した書字エラーの発生メカニズムに関する認知モデルの提案
Project/Area Number |
17K17616
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
高橋 純一 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (10723538)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 空間配置 / 同等集合サイズ / パターン内変換構造説 / パターンの物体数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,漢字部首の空間配置に関してパターン認知理論の観点から「評価パターン」を作成して,児童の漢字書字エラーを分析し,認知モデルを提唱することである。 2018年度は,前年度に作成された評価パターンに関して,成人を対象とした評定実験を行うことで,物理情報(物理的に定義できる基準)および感性情報(物理的には定義できない基準)の観点から評価パターンとしての妥当性を検証した。評定実験では,成人(40名)が評価パターンそれぞれについて,空間配置の「複雑さ」を評定した。結果から,評価パターンは「同等集合サイズ(Garner, 1962)」,「パターン内変換構造説(松田, 1978)」,物体数の影響(Takahashi et al., 2012)を用いることで,物理情報の観点から説明できることがわかった。つまり,前年度に作成した評価パターンは,これらのパターン認知理論によって理論的に支えられており,以後の漢字書字エラーの分析において,評価パターンとして用いることの妥当性が高いものと考えられる。「複雑さ」などの感性情報に関しても,これらのパターン認知理論との関連がわかったため,物理情報と感性情報における漢字書字エラーの分析においては,これらを評価パターンとして用いることの妥当性の高さが確認された。 2019年度は,これらの評価パターンを用いて,児童の漢字書字エラーの分析を行う予定である。既に,予備的にではあるが,漢字書字エラーの分析を始めている。評価パターンにもとづいた漢字書字エラーの特徴が解明されることで,空間配置の観点から,新たな認知モデルを提案できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請書の計画通りに実験などを展開している。また,2018年度の研究成果については,論文として投稿し,in press の状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度までに作成および妥当性の検証が終了した「評価パターン」を用いて,2019年度は,児童の漢字書字エラーの特徴を解明する分析を行う。そのうえで,パターン認知理論に基づいた漢字書字エラーの検討がなされる。既に,分析のための漢字書字データを取得済みであり,2019年度についても計画通りに展開できる予定である。統計的分析に耐えうるデータ数が確保できており,実証的観点から結果を報告する。
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