2019 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental and numerical study on contaminated-wood gasification for separation and control of radioactive substances
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17K17618
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
小井土 賢二 福島大学, 共生システム理工学類, 特任准教授 (60611762)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ガス化 / セシウム固定化 / ポルサイト / XAFS / 放射性セシウム汚染木質 / 炭酸セシウム / 森林除染 |
Outline of Annual Research Achievements |
福島第一原子力発電所の事故後、森林は除染の対象外とされてきた。今後の森林除染により大量に発生すると考えられる放射性物質を含む木質を活用するにはエネルギー利用、そして灰の鉱物化による放射性物質の固定を一体として行うことが有効であると考えられる。エネルギー利用に関しては、ガス化発電が小規模でも高いエネルギー効率を実現することが可能であることから注目されている。また、灰に含まれる放射性Csをポルサイト(Cs2Al2Si4O12・2H2O)というCs鉱物にする研究が行われて来たが、鉱物合成の際に不足するCsは合成時に添加して来た。加えて、先行研究よりアルカリ金属の添加によってガス化の効率が向上することが報告されている。 本研究ではポルサイト合成に必要なCs金属塩を原料から添加することで、ガス化性能を向上させる可能性について着目した。とくに、ガス化率向上に適した条件を明らかにすることおよび添加するCs金属塩の再利用可能性を明らかにすることを研究目的とした。最終年度では、Cs金属塩を一回通過で利用した場合、コストが膨大となってしまうことから再利用可能性について明らかにするために連続ガス化を行った。連続ガス化試験は試料として一回通過試験を行った際に発生する残渣を使用し、スギおが粉と混合したものを実験試料とした。固定床ダウンドラフト型ガス化炉を使用し実験を行い、ガス化率、生成ガス量、ガス化率増加度により評価した。 結果として、XRFの結果から一回通過プロセスで使用したCs2CO3の残存率は高くないことが分かっているが、その状態であっても、再び残存したCs2CO3を添加することでガス化率向上効果は維持できることが分かった。本試験により、灰の固定で用いるCs2CO3を原料から添加することによるガス化率向上効果を明らかにし、コスト削減のためのCs2CO3の再利用も可能であることが明らかになった。
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