2020 Fiscal Year Research-status Report
食物アレルギーの発症における腸内細菌叢の役割の解明
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17K17624
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 寿人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 専任講師 (80783042)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 腸内細菌叢 / メタゲノム解析 / ショットガンメタゲノム |
Outline of Annual Research Achievements |
食物アレルギー発症のメカニズムの一端を解明するために、食物アレルギー群と非食物アレルギー群とで腸内細菌叢の比較を行う研究を行った。 食物アレルギー群29名(鶏卵13名、乳製品9名、小麦3名、鶏卵と牛乳3名、牛乳と小麦1名)、非食物アレルギー群21名を収集し、便から腸内細菌のDNAを抽出し、次世代シーケンサーによる16S-rRNAメタゲノム解析を行った。両群の比較では、Wilcoxon signed-rank testを使用し、食物アレルギー群はバクテロイデス属の細菌数が低下(p=0.014)しており、エスケリキア属の細菌数が増加(p=0.034)していた、という結果を得た。細菌の多様性の指標であるSimpson indexは有意差がなかった。バクテロイデス属菌は腸管免疫系に対して免疫修飾作用を有していることが報告されており、バクテロイデス属菌の減少は腸管免疫の寛容性に影響を与えたと考えられた。この成果をJSA/WAO Joint Congress 2020で報告し、「For the next generation企画」の1つに選出された。 2020年度は次世代シーケンサーによるショットガンメタゲノム解析を実施し、細菌叢のみではなく、真菌・ウイルス叢解析を開始し、生データを得た。解析に用いるバイオインフォマティクスツールを組み合わせ、細菌叢の他に真菌・ウイルス叢を抽出することができるパイプラインの整備が完了した。最終年度に統計的な解析を実施し、16s rRNAメタゲノム解析とショットガンメタゲノム解析の相違点、真菌やウイルスを含む微生物叢の食物アレルギー群・非食物アレルギー群での比較を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナウイルス感染症の流行に伴い、在宅ワークの推奨等によりゲノムを取り扱う大型計算機に接続する機会を逸し、1年間の延長を申請した。 最終年度は統計的な解析および論文執筆が主な研究内容となり、また有意な成果も得られている。概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は2020年度に実施したショットガンメタゲノム解析で得られたデータの整理を行い、統計的な解析を行う。また、本研究における成果を取りまとめ、本年度中の英文論文投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
研究代表者の職場異動、新型コロナウイルス感染症流行に伴う在宅ワークの推奨などにより、研究の進捗が遅れていたため、差額が生じた。 次年度使用額は成果報告等のための学会参加費、論文投稿に向けての英文校正費、投稿費に用いる予定である。
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