2021 Fiscal Year Annual Research Report
The role of intestinal microbiota in the development of food allergy
Project/Area Number |
17K17624
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
鈴木 寿人 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80783042)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 食物アレルギー / 腸内細菌叢 / バクテロイデス / エスケリキア / メタゲノム解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
食物アレルギー発症のメカニズムの一端を解明するために、食物アレルギー群と非食物アレルギー群とで腸内細菌叢の比較を行う研究を実施した。食物アレルギー群29名(鶏卵13名、乳製品9名、小麦3名、鶏卵と牛乳3名、牛乳と小麦1名)、非食物アレルギー群21名を収集し、便からDNAを抽出し、次世代シーケンサーによる16S-rRNAメタゲノム解析およびショットガンメタゲノム解析を行った。16S-rRNA解析では、Wilcoxon signed-rank testを使用し、食物アレルギー群ではBacteroides属の低下(p=0.014)とEscherichia属の増加(p=0.034)が確認された。種レベルでの解析では、食物アレルギー群で低下していたものは、Bacteroides vulgatusであり、増加していたものはVeillonella dispar, Escherichia fergusonii, Gemmiger formicilisであった。細菌群の多様性の指標であるSimpson indexは有意差がなかった。Bacteroides属の低下については牛乳アレルギーの乳児やアトピー性皮膚炎の乳児で低下し、Escherichiaの増加はアトピー性皮膚炎患者に多く見られていることが海外の既報があり、日本人でも同じ結果であることが確認できた。また、環境要因による腸内細菌叢の変化を考慮し、授乳方法や分娩方法、食習慣によるサブ解析を実施したが、環境要因による菌叢の違いは確認されなかった。 これらの結果をJSA/WAO Joint Congress 2020で報告し、「For the next generation企画」の1つに選出された。また、第7回日本アレルギー学会関東地方会開催(2022年3月開催)で演題発表を行った。
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