2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K17625
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金丸 和正 筑波大学, 医学医療系, 助教 (20792500)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | Clec10a / ハウスダストマイト / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
ハウスダストマイトはアトピー性皮膚炎、喘息などのアレルギー性疾患における主要アレルゲンの1つである。しかしながらハウスダストマイトに対する免疫応答制御機構の全貌は未だ解明されていない。Clec10aはC型レクチン受容体ファミリーの1つであり、皮膚などの末梢組織に存在するマクロファージや樹状細胞に高く発現するが、アレルギー反応におけるClec10aの機能は未だ不明である。本研究ではマウスXでClec10aのタンパク質発現に障害があることを見出した。我々はCRISPR/Cas9の技術により、Clec10aの発現を回復させたマウスを作製した。今後これらのマウスの皮膚にハウスダストマイトを塗布し、皮膚炎の病態を比較することにより、ハウスダストマイトに対する免疫応答へのClec10aの関与を検証する。 Clec10aの機能を更に詳細に解析するため、C57BL6/Jバックグラウンドの野生型、及びClec10a遺伝子欠損マウスの皮膚にハウスダストマイトを塗布し、皮膚炎の病態及び血清IgE抗体価を解析した。また in vitroで誘導したC57BL6/J-野生型、及びClec10a遺伝子欠損の骨髄細胞由来マクロファージをハウスダストマイトで刺激し、炎症性サイトカインの産生を解析した。更に骨髄細胞由来マクロファージを用いてClec10aとシグナル分子との相互作用を共免疫沈降法により検証し、ハウスダストマイトで刺激した後にClec10aと相互作用するシグナル分子を同定した。よってClec10aはこれらのシグナル分子を介して機能していることが示唆される。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の計画通り、CRISPR/Cas9の技術によりマウスXにおけるClec10aの発現を回復させたマウスを作製した。Clec10aのシグナル伝達については、計画以上の進捗だった。一方で、平成29年度の計画に含まれていたClec10aリガンドの同定に関しては達成できておらず、平成30年度の課題として残った。以上を合わせて評価し、おおむね順調とした。
|
Strategy for Future Research Activity |
マウスX-野生型、及びClec10a発現を回復させたマウスにおけるハウスダストマイト誘導性皮膚炎の病態を比較し、Clec10aの機能を解析する。 ハウスダストマイト内に存在すると推測されるClec10aリガンドを同定する。Clec10aがハウスダストマイト内のガラクトシル化タンパク質を認識していると推測されることから、リコンビナントClec10aまたはガラクトース特異的レクチンによりClec10aリガンドが含まれる分画を分離し、Clec10aとの結合を検証する。Clec10aとの結合が確認された分画を電気泳動法及びタンパク質染色法で解析し、特異的な染色が確認された場合はMS解析を行う。
|