2018 Fiscal Year Annual Research Report
High sensitive in-situ detection method of microbubbles for realization of feedback controlled ultrasound drug delivery
Project/Area Number |
17K17634
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
江田 廉 群馬大学, 大学院理工学府, 助教 (40734273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音波援用ドラッグデリバリシステム / 気泡キャビテーション / 高時間分解能観察 / フィードバックシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波援用ドラッグデリバリシステムでは、微小気泡に対し強力超音波を照射することで気泡を圧壊し、あらかじめ気泡に付加させた薬剤を患部や細胞内へ効率よく取り込ませることが基本になるが、高効率化のためには気泡破壊に至るまでの2次超音波信号をその場で観測し、これをフィードバックすることで効率向上を図ることが重要になる。本研究は気泡からの信号をマイクロ秒オーダーの高時間分解能でその場観察し、従来の超音波イメージングには実現できない「時間的・空間的分解能を有する新規の気泡観測法」を実現する。本手法は気泡表面を修飾した機能性気泡を組み合わせることで癌の超早期発見が可能になるなど、気泡観測だけでなく、革新的な治療診断技術創出を拓く基盤技術になる。 平成30年度は、平成29年度までの研究成果を展開し、可視化システムの生体応用を見据えた実験に取り組んだ。これまでに確立した気泡からの信号観測技術を応用し、哺乳動物系細胞の浮遊細胞を用いたファントム実験を行い、得られた信号と生体作用との関連を得るため観測結果の解析項目と生体作用効果が相関を示すパラメータを統計的に評価した。使用した浮遊細胞についてはリンパ芽球系の細胞を対象とし、蛍光色素は生細胞の膜透過性がなく核酸との相互作用により蛍光を発する色素を用いた。これにより超音波照射によって色素導入が起こった細胞のみを標識し、細胞を回収後に蛍光顕微鏡観測を行うことで定量的に導入効率を評価できる。実験の結果、気泡破壊に至る気泡と割れ残る気泡からの信号の空間分布が細胞への生体作用と関連する可能性を示し、フィードバックシステム構築に有効であることが示唆された。
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