2018 Fiscal Year Annual Research Report
Flexible flapping mechanism inspired from the musculoskeletal system of insect
Project/Area Number |
17K17638
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中田 敏是 千葉大学, 大学院工学研究院, 特任助教 (80793190)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 力学的フィードバック / 羽ばたき飛行 / ドローン / 流体構造連成 / 柔軟性 |
Outline of Annual Research Achievements |
生物の柔軟な筋骨格系を規範とした柔軟羽ばたき機構による推進メカニズムの解明のために,柔軟羽ばたき機構の各モデルを用いた解析を行い,以下の知見が得られた. (A)柔軟羽ばたき機構の効率と安定性:柔軟羽ばたき機構は,その柔軟性によって,より少ないエネルギーで羽ばたくことが出来るが,突風に対して敏感に翼運動が変化してしまうため,安定性を低下させる.昆虫の場合,左右の翼を同位相で羽ばたかせるために胸部がつながっており,その影響を数値モデルによって調べた結果,この左右の翼の機械的なリンクが,翼の突風応答を抑制し,安定性を向上させることがわかった. (B)柔軟羽ばたき機構と柔軟翼の安定性:昆虫のような生物の場合,翼も柔軟であり,筋骨格系のように効率や安定性に影響を与える.柔軟な筋骨格系と翼を組み合わせた場合,数値計算は困難であるため,実験モデルを用いて,羽ばたき機構と翼の様々な柔軟性の組合せが,羽ばたきロボットの突風応答に及ぼす影響を調べた.その結果,羽ばたき機構の柔軟性による効率と安定性のトレードオフが,適切に柔軟な翼によっても解決されることがわかった. (C)小型柔軟羽ばたき機構の創製:上記の結果から,機構や翼の柔軟性を適切に設計することで,センサ等を用いた能動的な制御ではなく,力学的な応答による受動的な制御である力学的フィードバックを実現できること,柔軟羽ばたき機構が,高効率・高ロバストな新しい飛行ロボットの創製に有用であることがわかった.したがって,その実現に向けて、モータを左右それぞれの翼の駆動に用い,モータと翼の間に柔軟性を導入した小型柔軟羽ばたき機構を作製し,その性能を調べた.その結果,柔軟性が翼の羽ばたき振幅に非常に大きな影響を与えること,共振等の利用によって,小型モータでも,大型昆虫の羽ばたき周波数付近(10 Hz程度)で,大きな羽ばたき振幅を得られることがわかった.
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