2018 Fiscal Year Research-status Report
学校へのICT投資と教育成果の実証分析:地域データと家計データを用いた検証
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17K17639
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐野 晋平 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 准教授 (80452481)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 教育の生産関数 / ICT / 自然実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
学校へのICT 投資の望ましい水準を評価するためには、学校へのICT 投資が教育成果に与える影響を厳密に計測する必要がある。ICT 投資の決定と教育成果の決定には観察できる要因だけではなく、分析者には観察不能な要因が作用するため、自然実験の利用が必要とされる。本研究では、平成21 年度より事業化された「学校ICT 整備事業」により、交付団体と不交付団体に非連続な学校ICT 投資の差が生じたことを自然実験と見なし、学校へのICT 投資が教育成果に与える効果、学校へのICT 投資がどのような子供により影響を与えるのか明らかにする。 研究目的を達成するためには、基礎自治体別のデータおよび、関連する地域データベースを整備し、それらを学校データや家計データと接合する必要がある。本年度は前年度までに整備した自治体別のパネルデータの更新をしつつ、基礎的な分析を行った。具体的には、学校ICT整備の決定要因と財政・社会経済的要因(所得、人口などに関わる地域データ、基礎自治体の財務データ)の関連を分析した。 学校へのICT 投資がアウトカムである学力などの与える影響の分析については、アウトカム変数の一部である学力データについて一部の自治体について収集したが、より広範な地域を対象とした分析を行うために、調査票情報の利用に関する調査と検討を行った。並行して、家計データにと関連データに関して、利用可能性と分析方法に関する調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題遂行のための基礎となる自治体別のデータなどを収集しつつ、当初の計画にあった分析を実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き構築したデータベースを更新しつつ、分析を進める。また、家計側のデータについても、可能な範囲で分析を開始する。
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Causes of Carryover |
必要なデータに関して効率的にデータ整理が実施できたために、計上していた人件費を次年度以降に使用することが可能となった。そのため、次年度では、研究推進に関しての人件費として用いつつ、国内外の学会などに積極的に参加することで、最新の研究動向を確認する。
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