2018 Fiscal Year Research-status Report
Establishing the Fundamentals of Postmortem Imaging as a Method for Corpse Examination
Project/Area Number |
17K17644
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五ノ井 渉 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60631174)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 死後画像診断 / 死亡時画像診断 / Postmortem Imaging / Autopsy Imaging / Virtopsy / Forensic Radiology / 解剖 / 死後CT |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】院内非外傷死の患者に横断的に死後CTと解剖を施行し、死後肺CT所見と死後経過時間との関係、病理学的な肺炎・肺水腫の有無の予測に有用な死後肺CT所見を検討する。 【方法】当大学病院で治療後に死亡した104人の非外傷死患者の病理解剖施行直前に全身の死後CTを撮像した。臨床情報、病理所見を盲検化した状態で3名の放射線科診断専門医が死後CTを13の肺画像所見について評価を行った。画像所見と死後経過時間や病理組織学的肺所見(異常なし・肺炎・肺水腫)との関係や診断能について傾向検定、回帰分析を行った。 【結果】死後経過時間とともに死後CT所見では水平面形成を伴う陰影、びまん性の浸潤影・すりガラス影、びまん性の気管支壁肥厚、対側と対称な陰影が増加し、区域性の浸潤影・すりガラス影は減少した。病理組織学的な肺炎を予測する肺CT所見は、水平面形成を伴わない陰影と小葉中心性粒状影・結節影の存在、びまん性の気管支壁肥厚がないことが、有意であった。病理組織学的な肺水腫を予測する肺CT所見は、水平面形成を伴う陰影、びまん性の浸潤影・すりガラス影、 小葉間隔壁肥厚の存在が、有意であった。 【結論】肺の死後CTでは、上記に示したいくつかの画像所見が、死後時間経過とともに出現する。また、肺炎や肺水腫に特徴的な死後CT所見が、存在することを明らかにした。 【成果発表】①死後画像診断学各論:胸部疾患. 大阪大学院医学系研究科修士課程「死因究明学」コース 2017年12月10日;②死後画像診断学総論. 大阪大学院医学系研究科修士課程「死因究明学」コース 2017年8月6日;③査読付き国際誌へ英語論文投稿中;④日本医学放射線学会発表準備中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた複数の研究課題の一つが順調に論文の形式に仕上がっており、投稿中である。その他に予定している研究課題については、引き続きデータの収集が必要であるが、データ収集(CT撮影)についても順調に症例数を増やしている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究体制を維持し、データ収集を継続する。追加で検討可能な事項についても、アイデアを出し続ける。現在、上記以外に4本程度の検討項目に関して、パイロットスタディを開始している。
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Causes of Carryover |
CTが故障し、予定外の修理費がかかったため。
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Research Products
(8 results)