2017 Fiscal Year Research-status Report
オセアニア人はなぜ肉置き豊かなのか?-オセアニアの移住史と肥満関連アリルの由来-
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17K17651
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中 伊津美 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (10723778)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オセアニア / 肥満 / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、なぜオセアニア人は肉置き豊かなのか?という問いに答えるべく、アフリカ人集団とアジア人集団の肥満候補遺伝子多型についてオセアニア地域集団の遺伝子解析を行い、(1)オセアニア集団の移住・混血の歴史、(2)肥満リスクアリルの由来を解明し、オセアニアで観察される高い肥満罹患率の進化遺伝学的背景を明らかにする。このことより、新たな仮説「オセアニア集団は、アフリカ集団およびアジア集団の双方から肥満リスクアリルを受け継いだ」を検証することを目的とする。 平成29年度は、東アジア集団を対象とした先行研究で報告された肥満関連多型と、それと連鎖不平衡の関係にあるSNPを選び、オセアニア地域集団の遺伝子型決定をTaqMan法にて行った。年齢、性別、集団を調整したロジスティック回帰分析の結果、GIPR遺伝子に存在するrs11671664がBMI増加と有意に関連していた(P=0.013)。rs11671664-Gアリルを1コピーもつごとにBMIが0.7増えることとなる。また、rs11671664-Gアリルはポリネシアトンガ人集団で頻度が高かった(ポリネシア・トンガ:0.811 、ミクロネシア・ラワキ:0.634 、メラネシア・ムンダ:0.710 、メラネシア・クサゲ:0.639 )。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子型タイピングに時間がかかり当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
候補遺伝子の多型解析を行うとともに、オセアニア地域集団の進化遺伝学解析を行う。
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Causes of Carryover |
実験機器が故障したため当初の予定通りに研究が進まなかった。次年度は、引き続き 候補遺伝子の多型解析を行うとともに、オセアニア地域集団の進化遺伝学解析を行う。
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