2018 Fiscal Year Research-status Report
オセアニア人はなぜ肉置き豊かなのか?-オセアニアの移住史と肥満関連アリルの由来-
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17K17651
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中 伊津美 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (10723778)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | オセアニア / 肥満 / SNP |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、なぜオセアニア人は肉置き豊かなのか?という問いに答えるべく、アフリカ人集団とアジア人集団の肥満候補遺伝子多型についてオセアニア地域集団の遺伝子解析を行い(1)オセアニア集団の移住・混血の歴史、(2)肥満リスクアリルの由来を解明し、オセアニアで観察される高い肥満罹患率の進化遺伝学的背景を明らかにする。このことより、新たな仮説「オセアニア集団は、アフリカ集団およびアジア集団の双方から肥満リスクアリルを受け継いだ」を検証することを目的とする。 平成30年度は、ギデラ族で現在も維持されているアフリカ人由来ゲノム領域を抽出することを目的として、ギデラ族、HapMap 東アジア集団(JPTとCHB) 、アフリカ系集団(YRI)のゲノムワイドSNPデータを用いて、アリル頻度の比較を行った。ギデラ族とYRIの頻度差が小さいSNPが集積するゲノム領域をスライディングウインドウ解析によって抽出し、各領域に含まれる遺伝子の特徴を調べた。その結果、 17p11.2 領域 (TOM1L2 (TOM1L2 (TOM1L2 (TOM1L2周辺領域 )と12q24.13 領域 (TRAFD1 (TRAFD1 周辺領域 )に、強いアフリカ人近縁ゲノム領域を検出した。しかし、各ウインドウの平均インデックスは0.62で、ギデラ族の身体的特徴はアフリカ人に類似するが、ゲノムはアフリカ集団よりも東アジア集団に近いことが確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
妊娠による体調不良により研究遂行が困難となり、当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
候補遺伝子の多型解析を行うとともに、オセアニア地域集団の進化遺伝学解析を行う。
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Causes of Carryover |
妊娠による体調不良のため研究遂行が困難となった。次年度は、引き続き 候補遺伝子の多型解析を行うとともに、オセアニア地域集団の進化遺伝学解析を行う。
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Research Products
(3 results)