2018 Fiscal Year Research-status Report
コンピュータ支援検出における病変提示手法が読影医への有用性に及ぼす影響
Project/Area Number |
17K17661
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三木 聡一郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30707766)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | コンピュータ支援検出 / 脳動脈瘤 / MR血管撮影 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、コンピュータ支援検出(CAD)における病変候補の提示方法を最適化することで、CADの臨床における実効性能を最大化することを目的としている。コンピュータ支援検出のアルゴリズムは高度化しており、単体では高い検出性能があると思われるソフトウェアが多数発表されているが、実際に人間が読影を行うにおいては、「CADが真病変を提示したにも関わらず、それを利用して読影を行う放射線科医の意見が変わらない」ということがしばしば観察される。 CADの病変提示における効率性を向上することで、放射線科医の見逃しをより多く防止することができるという仮説を検証するため、ボリュームレンダリング(VR)画像による病変結果提示がCADを利用する放射線科医の見逃し防止に与える影響を検証する研究計画を立案した。 初年度に、ブラウザ上で任意断面再構成(MPR)に加えてVR画像をリアルタイムに生成して表示するための機能について新規の開発を行い、その成果は本年度に日本医学放射線学会(2018年4月開催; 実機展示)や人工知能応用医用画像研究会(2018年6月)にて発表した。システムとしては新たなサーバ機を設置し、基礎的なインストールおよび動作確認を終えて検証中であり、論文投稿およびオープンソースソフトウェアとしての公開についても現在準備中であるが、関連プロジェクトである画像アノテーションソフトウェア(CIRCUS DB)と同時に発表することにしたため遅れが生じた。 今年度の補助金は、主に学会参加費用・旅費、モバイル環境でのVR画像レンダリングの検証に用いる計算機購入に充てられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2018年度にボリュームレンダリング(VR)画像をリアルタイムに生成することによる長期的な検証を開始する予定とし、検証に利用するためのサーバ機の設置・インストールと基本的な動作検証を行った。しかし同時期に当施設でのMR撮像装置の更新が重なり、臨床に堪えうる画質を確保するために時間を要した。加えて、関連プロジェクトであるアノテーション作成ソフトウェア(CIRCUS DB)との統合、仕様整合などの作業を優先させため、論文での発表および日常臨床での検証開始には遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
ボリュームレンダリング(VR)表示機能を含む、新たに開発した統合的読影支援開発基盤(CIRCUS CS)への置き換えと日常臨床での検証開始については実現の最終段階にあり、まずこちらを進めていくとともに、論文発表およびオープンソースソフトウェアとしての公開を行う。前述のMRI装置の更新および時間的制約により、単純に既存の長期成績と直接比較することは難しいことが予想される。当施設の既存のデータベースを用いて読影実験を行うことや、いわゆるA/Bテスト(ユーザインターフェースをランダムに切り替えて利用者の反応の違いを検証する試験)を行うことを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
英語論文校閲費用や学会誌投稿料について、当該年度末までに投稿準備が完了しなかったため、計上しなかった。次年度以降に既に受理された学会発表に関わる費用や、その他成果発表のための費用として利用する予定である。
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Research Products
(3 results)