2019 Fiscal Year Research-status Report
排泄障害を越えてアクティブエイジングを実現する実践的方法論の構築
Project/Area Number |
17K17675
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 競 東京大学, 高齢社会総合研究機構, 特任研究員 (60719326)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者保健 / アクティブエイジング / 排泄障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎えた我が国において、排泄障害とともに生きる高齢者や障害者の数は増え続けている。排泄障害を持ちながら、心理的にも社会的にも活き活きとした生活を送るためにはどうすればよいのか?本研究は、排泄障害のある高齢者や障害者が心理社会的健康を増進させるための実践的方法論をアクティブエイジングの観点から構築することを目的とする。 研究期間内に、先行文献のレビューと高齢者大規模コホート研究のデータ分析、排泄障害者を対象とした質的研究を行い、高齢者や障害者の排泄障害(尿失禁、頻尿、便秘等)が心理社会的健康に及ぼす影響と緩衝因子、そして心理社会的健康を維持するプロセスを解明する。さらに、排泄障害を抱えながらアクティブエイジングを実現するための介入プログラムを専門家および排泄障害当事者とのディスカッションを通して開発し、その効果検証を行う。 当該年度は、高齢者大規模コホート研究のデータ分析と排泄障害当事者を対象とした質的研究を実施した。様々な排泄障害のうち、地域高齢者のアクティブエイジングには頻尿の影響が大きい可能性が示唆され、そのメカニズムについて定量的及び定性的な分析を実施している。また、老年学や排泄の専門家とのディスカッションを継続し、排泄障害の啓発や早期発見、排泄障害改善に役立つ資源の整理・見える化等、ポピュレーションアプローチの観点を踏まえたプログラムの開発にも着手した。 本研究の成果は、排泄障害に苦しむ多くの人々の心理社会的健康に資するものであり、社会的意義は非常に高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者大規模コホート研究のデータ入力及び整理が想定よりも早く終了したことから、順調に分析を進めることができた。また、質的研究の対象者となる排泄障害当事者を、コホート研究参加者からリクルートしたことにより、インタビュー調査を効率的に実施することができた。さらに、排泄の専門家とのディスカッションを定期的に実施したことにより、アクティブエイジングを促す介入プログラムの開発についても順調に進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
先行研究のレビュー、高齢者大規模コホート研究のデータ分析、排泄障害当事者を対象とした質的研究の結果を統合し、排泄障害を越えてアクティブエイジングを実現するためのポイントを整理する。また、排泄障害の専門家や当事者とともに介入プログラムを開発し、その効果検証を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度に実施した質的研究が想定していたよりも小規模になったことと、研究成果発表が予定よりも少なかったことから、関連費用が未使用になった。次年度は、介入プログラムの開発、効果検証、論文発表等の研究成果発表等に研究費を使用する予定である。
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Research Products
(7 results)