2018 Fiscal Year Research-status Report
乳児の健康な皮膚バリア機能発達と皮膚常在菌叢形成に対するスキンケアの効果検討
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17K17676
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米澤 かおり 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (20791388)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | スキンケア / 皮膚常在菌 / 皮膚バリア機能 / 新生児 / 乳児 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は、前年度にリクルートした児を対象として、生後3-4か月時点で、クロスオーバー試験を行った。乳児の左右に腕それぞれに無作為に割り付けた2種のスキンケア(お湯のみ、または洗浄剤を用いた洗い方の違い;洗浄剤を用いて洗うのみ、または洗った後に保湿剤を塗布)を行い、皮膚バリア機能・皮膚常在菌叢の違いを検討した。日常的なスキンケアに近い形で、比較検討できるように考慮した。
最終的に、36組の児と養育者に対して調査を行うことが出来た。2018年度内に常在菌の分析、データセットを完成させることができたため、2019年度には分析・論文執筆・発表を行う予定である。この調査の結果から、スキンケアの違いによる皮膚への影響を明らかにし、乳児へどのようなスキンケアを行うことが望ましいのか、その際個人間の差についてどのように考慮すべきかを検討する一助になると考える。
また、生後1年時点での皮膚の状態、アレルギー(アトピー性皮膚炎、食物アレルギー)に関する追跡質問紙調査を行い、生後2週間の調査を行った56名中43名(追跡率76.8%)から返信があった。これによって、生後2週間、生後3か月、生後1年にわたる縦断調査を終了し、データセットを完成させることができた。近年、生後早期の皮膚バリア機能とその後のアレルギー発症に関連があるとされており、そのメカニズムの一助として、皮膚バリア機能を考慮した上での、アレルギー発症と生後早期の皮膚常在菌の影響の有無を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2018年度内に調査、試料の分析を完了することができ、1年調査も含め、データセットを完成させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、調査で得られた結果の分析・論文執筆・発表を順次行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
大学の女性研究者支援制度によって人件費や旅費を充当できたことで、次年度使用額が生じた。そのため、次年度は予定以上にも学会発表、論文の発表を行うための費用にあてると同時に、詳細な分析を行うための分析補助の人件費や、予算の都合上分析が難しかった常在菌叢のサンプルの分析に使用する予定である。
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