2019 Fiscal Year Research-status Report
Extraction of motor and sensory commands in the brain using a sparsely-distributed brain-machine interface
Project/Area Number |
17K17684
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
深山 理 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究員 (30508205)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ブレイン・マシンインタフェース / 神経信号計測 / 脳深部刺激 / 歩行動作 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、電極プローブを頭蓋下の広い範囲に分散配置し、感覚・運動に関わる神経活動を横断的に収集することによって、脳内に存在する任意の感覚・運動に関する情報の抽出を目指すものである。この目的のため、前年度までにラット脳を対象とする「タングステンワイヤ電極」「脳深部への微小電気刺激系」「運動皮質電位計測系」「全方位移動型ロボット」からなる4つの要素技術を開発・導入してきた。 本年度はこれらを統合し、ラットを併走ないし搭載して全方位移動型ロボットを動作させる実験を実施した。ラットの頭部には刺激用および計測用の電極を組み合わせて配置し、微小電気刺激(情報入力)からラット脳活動を経て運動皮質活動および随意運動生成(情報出力)を生じさせる閉じた系とした。この実験を集中的に実施することによって、上記入出力情報にラットが実際にとった行動の記録を加えたデータセットを構築した。 また、上に述べた4要素技術のうち「脳深部への微小電気刺激系」については、「自発的だが統制された歩行動作を誘発」する動物実験の手法として発展が見込まれ、本研究計画の目的への寄与も期待できることから、引き続き試行を重ねるとともに詳細な検討を加えた。電極先端部位の解析から、大脳辺縁系への電気刺激が報酬系を介したラットに対する動機付けとなり、歩行動作を誘発する効果を生じていることが示唆された。より複雑な条件に対する動機付けにも応用できる可能性があり、結果の整理を行い、研究成果としてまとめることを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要な要素技術が揃い、本研究計画の核心となる「微小電気刺激からラット脳活動を経て運動皮質活動および随意運動生成」に至る実験を集中的に行い、これらの関係性を記録したデータセットを得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
脳に対する微小電気刺激を介した情報入力、運動皮質活動、随意運動の記録セットを対象とした解析を中心として研究を行う。また、脳深部への電気刺激による「自発的だが統制された歩行動作の誘発」手法についても、早期の成果とりまとめを目指す。
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Causes of Carryover |
令和元年度内に完成予定であった論文執筆がずれこんだため、年度内に発生することを見込んでいた英文校正費用、投稿費用が発生しなかった。これについては完成次第、前記の通り当初方針に沿って使用する。また年度末にかけて本研究推進のため予定していた出張打ち合わせが、COVID-19 の影響により中止となったため、その費用についても浮いた形となっている。これについても状況が改善次第、当初方針に沿って出張を実施予定である。
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Research Products
(1 results)