2017 Fiscal Year Research-status Report
女性特有癌の遺伝的リスク情報に対するソーシャル・リスクコミュニケーションの確立
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17K17689
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
甲畑 宏子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 助教 (90762542)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 遺伝カウンセリング / 遺伝性腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、疾患の認識に関する“illness representations モデル”を活用して女性特有癌に関連する疾患の認識の同定を行うことを目的とした。最初のステップとして、質問紙調査の項目策定のため、若年女性を対象としたグループインタビュー(5名ずつ2グループ実施済)および遺伝性腫瘍領域を専門とする認定遺伝カウンセラー(7名実施済)に対するインタビュー調査を実施した。若年女性のインタビュー調査から明らかとなった、一般的な乳がんと遺伝性乳がんの認識で異なっている要素や、遺伝カウンセラーへのインタビューを通じて明らかとなった未発症・若年女性に対する遺伝カウンセリングの態度(遺伝カウンセリング上、留意する点)は、質問項目を検討するうえで非常に有意義な情報となった。さらに、疾患の認識に関する国際比較を行うため、健常者に対する疾患認識の尺度:IPQ-RH (the Revised Illness Perception Questionnaire for healthy people)(Psychology and Health, 2007:22, 143-158)の日本語版を作成することとした。昨年7月に原作者の承諾を得て、現在、協力者(遺伝学の有識者)とともに翻訳作業を進めている。IPQ-RHの日本語版尺度が完成することで、様々な疾患に関する認識の調査に適用できるとともに、国際比較が容易となる。通常疾患の認識は患者もしくは遺伝子変異保持者を対象として作成されるが、当該尺度は健常者を対象としているため、遺伝性疾患に対する社会一般の認識を理解することにつながる。 また、昨年度は3報の論文(Mol Clin Oncol. 2017:7(1),98-102/医療と社会2017:27(2), 261-275/日本遺伝カウンセリング学会誌2017:38(3),69-75)が出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年10月より本年4月まで産休および育休を取得したため、当該年度は半年間の研究期間であったが、研究計画に記載したウェブ調査のための質問項目策定の準備が順調に進んでいる。なお、1年間の研究期間の延長を申請しており、従前の計画の遂行は十分可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は20-30歳代の女性かつ女性特有癌未経験者(目標数1000名)を対象としたウェブ式アンケート調査を実施する。質問項目策定のため、若年女性を対象としたグループインタビュー(5名×2回)を再度実施するとともに、IPQ-RHの日本語版尺度の完成を目指す。尺度翻訳は、逆翻訳の原著者の確認後、少人数による日本語版に対するデブリーフィングを行い、妥当性の検証を経て完成となる。 ウェブアンケート参加者にグループインタビューへの参加を促し、女性特有癌の遺伝的リスクに関連して必要な教育内容及びニーズの検討を行う。 また、本年度は遺伝性腫瘍領域の認定遺伝カウンセラーによる有識者会議を実施し、適切な教育場所(教育介入・調査を行うフィールド/対象者)の検討を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度の10月から本年4月まで産休および育休を取得し、半年間研究が中断していたため支出累計が当初予定より少なくなった。本年度より研究を再開しており、当初予定の使用計画に基づいて研究を実施する予定である。
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Research Products
(4 results)