2018 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the mechanism of the reduction of the critical temperature difference of thermoacoustic engines having a wet regenerator
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17K17705
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
上田 祐樹 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00447509)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 熱音響エンジン / 熱効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱音響エンジンは蓄熱器と中空の管,およびスタックと呼ばれる細管の集合体で構成されている.そのため,可動部を有さず,様々な熱源による駆動が可能であり,他の熱機関からの排熱や太陽熱の有効利用を実現する熱機関として注目されている. 本研究では水の添加が熱音響エンジンの性能に与える影響を解明するため実験および数値計算を行っている.平成29年度の研究によりスタックを構成する細管の壁に液相の水が存在することが重要であることが重要であることが分かっている.そこで平成30年度にはスタックの細管壁に水を添加した熱音響エンジンの効率に注目して研究を進めた.数値計算の結果,同じ投入熱量で比べた場合,水を添加しないほうが,高温熱源の上昇により,高い熱効率(出力/投入熱量)が得られることが分かった.一方,熱力学的上限値であるカルノー効率で熱効率を除した第2法則効率で比べると,ほぼ同程度の熱効率が得られることが分かった.また,実機による音響振動の比較結果から,水添加時と水非添加時で同程度の出力が得られることが分かった.さらに課題として,長時間の駆動を実現するためにはスタックの細管壁に液相の水が常に存在するようにするための工夫が必要であることも分かった. 平均気圧が水を添加した熱音響エンジンの性能に与える影響も実験的に検討した.その結果,沸点の上昇に伴い,熱音響エンジンの稼働温度が上昇することが分かった.このことから熱源の温度に対応して熱音響エンジン内の作動流体の封入圧を制御する必要があるといえる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度に予定していた熱音響エンジンの効率測定と予測,最適設計について,予測と最適設計については完了している.一方で,実機における効率測定については,いくつかの測定は行っているものの,液相の水の枯渇により現時点では完了していない.
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Strategy for Future Research Activity |
水を添加した熱音響エンジンのポテンシャルを評価するため,短時間で測定を行えるように手順を見直し,実験を行う.また,これまでに得られた成果を国際会議で報告する.
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Causes of Carryover |
本研究による成果を国際会議で発表するため.また,それに伴う追加実験を行うため.
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Research Products
(3 results)