2018 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of multi-functionalized monodomain liquid crystalline elastomers by incorporating dynamic covalent bonded cross-links
Project/Area Number |
17K17708
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
林 幹大 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70792654)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 結合交換型動的共有結合架橋 / 液晶エラストマー / vitrimer / ポリエステル / 再成型 / 再利用 / 表面傷の修復 / 自己接着 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度においては、ポリエステルを基盤として結合交換型動的共有結合架橋を導入した機能性エラストマーの調製法の確立を目指した。 具体的には、側鎖に多点カルボン酸基を含む非晶・線状ポリエステル(PE-COOHと呼称)を構成ポリマーとした。なお、本ポリマーは、我々が新規に合成法を確立した有用架橋性ポリエステルである。架橋剤としてジエポキシ分子を用い、エポキシ-カルボン酸の開環反応を介して架橋を施すことで、結合交換の担い手をなる「エステル結合」と「フリーOH基」を多点で含む網目構造を形成させた。得られた架橋試料は、室温付近では結合交換が凍結されているため高強度エラストマーとして振る舞うが、加熱することで結合交換が活性化することがわかった。この結合交換能により、再成型性・再利用性・表面傷の修復・自己接着性など、従来の共有結合架橋材料では発現し得ない機能を付与することに成功した。また、構成ポリマーPE-COOHのカルボン酸基導入割合を調節することで、架橋密度の異なる試料を調製し、結合交換温度などの諸物性に与える影響を詳細に調査した。上記知見は、国内・国際学会での成果発表はもちろんのこと、査読付き国際雑誌、国内特許出願、工業雑誌への寄稿など、様々な形で公表した。 本研究課題には「液晶エラストマー」というタイトルを付したが、我々が助成期間内に達成した「結合交換型共有結合架橋の網目構造への導入」は「液晶・非晶」問わずエラストマー材料を機能化する上で有用であった。架橋後の再利用や再成型・傷の修復などの機能を有する本材料は、環境に配慮した新規・エコマテリアルとしての価値を見出すことができ、且つ資源やエネルギーの乏しい極限環境(宇宙や深海)での活躍も期待される。
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Research Products
(13 results)