2019 Fiscal Year Annual Research Report
Controlling of mass transporting property by using porous anion conducting ionomer with high alkaline durability
Project/Area Number |
17K17721
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮西 将史 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (00770413)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 燃料電池 / アイオノマー / 多孔性高分子 / イオン伝導 / 化学耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度までに合成した多孔性高分子電解質が、膨潤耐性に優れ、少ない含水率でも高いイオン伝導度を持つことを示した。本年度は、当初の計画通りこの電解質を膜電極複合体のアイオノマーとして用い、ギ酸塩を燃料とするアルカリ燃料電池の評価を行った。高イオン官能基容量(IEC=2.3)を持つ電解質をアイオノマーとして用い、触媒として白金担持カーボンを用いることで膜電極複合体を作成した。使用したアイオノマーは、スピロ構造を導入することで非常に剛直な全芳香族骨格を有するにも関わらず溶解性に優れる。その結果、一般的なナフィオンを用いた膜電極複合体の作製と同様に、1プロパノール/水混合溶媒中にアイオノマーと触媒粒子を混合することで分散性や平滑性に優れた触媒相界面を構築できた。ギ酸燃料の濃度やカソード湿度などの最適化を行った所、200mW/cm2を超える世界トップレベルの燃料電池性能が得られた。通常、高いイオン官能基容量を有する芳香族系電解質をアイオノマーとして用いた場合、アイオノマーの膨潤により、カソード側の酸素燃料経路が阻害され性能がでにくいことが多いが、本研究で用いた多孔性高分子材料は膨潤度が低く、分子内孔中でイオン伝導経路や燃料ガス経路が保持されることで高い性能が得られたと考えられる。また、触媒粒子として白金担持カーボンだけでなく、カーボンフリー白金鉄連結カプセル触媒を用いても同様に200mW/cm2を超える高い性能が得られた。この事から、Pt/C以外の様々な触媒に対してもこのアイオノマーは良好な三相界面を構築できる可能性が示唆された。また、今回用いたアイオノマーが化学耐久性に優れ、カソードの劣化要因となるカーボンのない触媒を用いたことで150時間以上(0.2A/cm2一定電流保持下)セル電圧や発電性能が低下しない事がわかり、従来にない長時間の運転に成功した。
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Research Products
(14 results)