2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K17730
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
鎌原 勇太 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (70710268)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 環境 / 戦争 / 因果効果 / 森林破壊 / 空間計量経済学 |
Outline of Annual Research Achievements |
戦争が環境に及ぼす影響について、戦争と森林破壊の観点から明らかにしようとするものである。 今年度の研究課題は、前年度に対象を絞ったアフリカ3カ国(コンゴ民主共和国、コンゴ共和国、アンゴラ)と南米2カ国(コロンビア、ベネズエラ)、アジア1カ国(カンボジア)における森林破壊の程度の測定であった。膨大な画像量といったリソースの問題からさらに国家を絞ることを計画した。そして、アフリカ諸国ほど先行研究で扱われておらず、さらに比較的データベース化が進んでいるコロンビアに対象を絞り、画像収集とその他データ収集を集中的に行った。 そして、Fergusson, Romero & Vargas (2014)の分析モデルに着目し、彼らが使用したデータを再度収集し、問題点がないかどうか洗い出した。そして、そこで得た知見をもとにデータ収集を行った。データ収集の途上であるが、内戦と森林破壊に関する分析で、これまでの研究が見落としていた重要な交絡因子を発見した。現在、この交絡因子と森林、内戦の位置情報を利用し、地図化している段階である。今後、さらなるコントロール変数を追加し、データ分析する予定である。 また、2018年のAmerican Political Science Associationにおいて、Reuveny, Mihalache-O'Keef, & Li (2010)が行った戦争が森林破壊に与える影響に関するパネルデータ分析のモデルに、空間ラグX項を追加した空間回帰分析を行った。 その結果、戦争が森林破壊をもたらす影響については空間的に波及しないことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度から引き続き、週1回RAを雇用し、データ収集を行っている。しかし、データ量が膨大であることから、前年度6カ国からさらに1カ国に絞った。そのため、研究の進捗状況は遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
分析単位が国家レベルのものに関しては、今年度American Political Science Associationで報告した内容をさらに発展させ、投稿を目指す。 次に、国内レベルのものに関しては、コロンビアに対象を絞り、今年度の早い段階でデータ収集を終え、研究成果を報告する見込みである。
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Research Products
(2 results)