2017 Fiscal Year Research-status Report
再発膠芽腫の新規治療法:EUrd-CED法のラット脳幹部腫瘍モデルでの検討
Project/Area Number |
17K17735
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
塚本 佳広 新潟大学, 脳研究所, 非常勤講師 (90648891)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Glioblastoma / Glioma stem cell / temozolomide / CED / EUrd / 膠芽腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.当院脳神経外科において手術で摘出した脳腫瘍組織の一部から、脳腫瘍細胞株を樹立する手技を確立できた。2016年に改訂された脳腫瘍のWHO分類に即した遺伝子変異を持った腫瘍細胞株樹立のため、動物実験に使用する細胞株は、患者腫瘍組織で確認された遺伝子変異が、樹立した細胞株でも維持されたものを使用するとした。 2.患者腫瘍組織における遺伝子変異に着目した様々なシグナル伝達経路を抑制する薬の効果を検証する目的で、EUrd以外にも既存治療薬、新規治療薬を用いたin vitroでの増殖抑制アッセイを行い、効果を検証した。 3.げっ歯類(マウス)の大脳に脳腫瘍細胞を定位的に移植する手技を確立できた。現在は、脳幹部への定位的な移植方法の検討および、植え込み型浸透圧ポンプによるconvection enhanced deliveryの手技を確立する実験を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目でラットの腫瘍モデルを樹立する予定であったが、ヌードラットは高価であるため,先ずは実験手技の確立を含め予備実験としてヌードマウスにおけるヒト由来脳腫瘍細胞株の脳腫瘍モデルを作製した。大脳半球への脳腫瘍形成は問題なく確認できたが、脳幹部脳腫瘍の技術習得および実際の脳腫瘍形成が予想よりも難航している。次年度には,マウスでの予備実験を済ませ、免疫不全ラットを用いた脳幹部腫瘍in vivo modelの実験に着手する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.脳幹部腫瘍の確立のために、移植するドナー細胞側の要因(移植細胞数,幹細胞性の維持有無等)とともにレシピエント側(マウス、ラット)の要因についても移植週齢,雌雄などを検討し、最適な条件を確認する。 2. 実際の臨床に即した再発膠芽腫の検討のため、脳腫瘍患者由来の脳腫瘍細胞株からtemozolomide耐性株を樹立する。 3.ラットの脳幹部脳腫瘍モデルが確立できた暁には、EUrdを植え込み型浸透圧ポンプによって投与し、temozolomide耐性株に対するEUrdの効果を検討する。
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Causes of Carryover |
In vivo modelの作成が難渋しており、購入予定であった免疫不全ラットを購入しなかったため予定実験が次年度への繰り越しとなった。
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