2020 Fiscal Year Research-status Report
心臓カテーテル撮影における動画倍速駆動処理技術の開発
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17K17738
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
長谷川 晃 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 講師 (20749999)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 人工知能 / ディープラーニング / U-Net / 不鋭除去 / 心臓血管撮影 / 動画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、循環器専用血管撮影装置で撮影された動画における残像や心拍動によるブレによる不鋭の影響を定量的に評価し、その結果に基づいた効率的な画質改善を画像処理で行うことで、被ばく線量を増やすことなく、鮮明な動画を取得できるようにすることである。 これまでの成果として、疑似心臓としてファントム(メトロノーム)を使用し、動きによる不鋭の除去処理を通常は領域抽出で用いられるディープニューラルネットワーク(U-Net)で行ってきた。現在、この技術を臨床の心臓カテーテル検査で撮影された動画に応用して、造影された冠動脈の不鋭の除去を試みている。 秒間15フレーム、960×960 pixel、5秒程度撮影された動画を1フレームごとの960×960 pixel、75枚の画像に変換し、それぞれの画像に対してU-Netによる不鋭除去処理を実施した。しかしながら冠動脈の認識が不十分であったためか、冠動脈に生じている不鋭の除去ができなかった。そこで、各画像において冠動脈のみが描出されている領域を切り出し、不鋭除去処理を試みたところ、そのまま不鋭除去を行うよりも冠動脈が明瞭に描出された。このほか、バイラテラルフィルタ処理により冠動脈のコントラストを強調しつつ、冠動脈以外を平滑化することで冠動脈領域を強調したうえでU-Netによる不鋭除去処理を試みており、こちらは冠動脈認識の改善が確認されている。 現在はCOVID-19の影響で症例を集めることができず、症例数が非常に少ないため十分な検証ができていない。今後は症例を集め、U-Netによる不鋭除去の有効性を検証したうえで論文として公表し、本研究を総括する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初は画像サイズが大きかったため、U-Netの学習に時間を要した。また、臨床的検討が含まれているが、症例数が非常に少なかったため、症例数を増やす作業を行っている。しかしながら、COVID-19の影響で臨床データの取得が困難な状況が続いているため、十分な症例数が集まっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
症例数を増やすことを第一目標とする。また、冠動脈領域の切り出しやバイラテラルフィルタ処理の有効性を検証したうえで、必要ならば加筆修正したうえで論文の再投稿を行う。
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Causes of Carryover |
症例数が少なかったため追加しようとしたが、COVID-19の影響で論文投稿に十分な臨床データを集めることができなかったため、論文校正費や論文投稿料等が繰り越しになった。 なお、補助事業を1年延長し、令和3年度で論文英語校正や論文投稿等を行い、最終予算を執行する予定である。
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Research Products
(1 results)