2017 Fiscal Year Research-status Report
ポジティブ心理学的介入が大学生のメンタルヘルスと自律神経機能に及ぼす影響
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17K17756
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三浦 佳代子 金沢大学, 保健管理センター, 助教 (10597412)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ポジティブ心理学的介入 / メンタルヘルス / 自律神経 / 心拍変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、大学生のメンタルヘルスケアとしてのポジティブ心理学の応用可能性を検討するために、ポジティブ心理学の代表的な介入手法である“3つの良いこと(TGT:Three Good Things)”エクササイズによって生じる心理生理学的な変化を、心理学的指標である種々の質問紙、生理学的指標である自律神経機能検査によってとらえ、ポジティブ心理学的介入の効果を多角的に検証することであった。TGTは、毎晩寝る前に今日起きた良いことを3つ挙げるとともに、それがなぜ起きたかを記入するというものである。 研究初年度にあたる2017年度においては、まず「金沢大学医学倫理審査委員会」による承認を得た後、研究を開始した。予備調査では、“3つの良いこと”エクササイズを1週間行い、その前後で心理学的評価、生理学的評価を行った。心理学的評価は、ポジティブ・ネガティブ感情尺度(日本語版PANAS)、楽観性尺度(LOT-R)、うつ病(抑うつ状態)自己評価尺度(CES-D)、気分プロフィール検査(POMS)により測定した。生理学的評価は、自律神経機能検査を実施した。修了後には、介入内容に負担がなかったかどうかなど、参加者にフィードバックを求めた。予備調査で特に問題がなかったため、予定を早めて本調査を開始した。 本調査では、研究への参加を希望する大学生を介入群とWaiting list control群に割り付け介入を行っており、各指標の評価は、介入開始前(T1)と介入終了時点(T2)と介入終了後1ヶ月(T3)の合計3回実施した。現在までに26名のデータを取得した。引き続き、データを集める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、予備調査を終えることができた。現在は、本調査の段階に入っている。これらの進捗状況に鑑みて「当初の計画以上に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は引き続きデータを取得する。当初の実施計画に従い、大学生を対象にポジティブ心理学的介入を行い、種々の質問紙と自律神経機能を指標とした効果測定を実施する。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していた、自律神経機能測定器の購入費が少なく済んだため。また、学会参加費や旅費についても当初の予定より少なく、次年度使用額が生じた。 次年度は、引き続きデータの取得をおこない、さらに学会参加も複数予定していることから、差額はその費用として使用する。
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