2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of highly sensitive chiroptical measurements with surface plasmon resonances for analysis of trace amount of chiral molecules
Project/Area Number |
17K17757
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西山 嘉男 金沢大学, 物質化学系, 助教 (40617487)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | キラル分析 / 表面プラズモン / 円二色性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、多くの生体試料が該当するキラル試料をより高感度に分光測定するための手法の開発を目的とし、特に、貴金属薄膜で生じる表面プラズモン共鳴を利用することでその実現を目指すものである。前年度構築したSHG検出でのプラズモンエリプソメトリー装置をタンパク質の一つである牛血清アルブミン(BSA)に適用した。その結果、BSAの存在時にキラルな信号である偏光特性の変化が観測され、その符号はバルクのCD測定で得られるキラリティと合致した。一方で、BSAの金薄膜への吸着は測定時間の間でも進行するなどわずかな時間でも顕著であり、そのため濃度に対する信号の線形性など測定の定量性を得るには至らなかった。今後、本手法を発展させていく上では吸着を抑制する処理が不可欠であり、その一つとして、ジメチルジクロロシランを用いた表面の疎水性処理を計画している。 また、前年度に新たに成果が見られた楕円率検出を利用した円二色性測定装置に関しては、偏光素子を更新することで、測定波長範囲を可視-近赤外領域(600-1000 nm)からより短波長の近紫外を含む領域(300-1100 nm)へと拡大することに成功した。さらに検出光学系や計測プログラムといったソフト・ハード両面を改良することにより、測定時間を10分の1(100秒→10秒)に減らすことができた。これらの成果は、生体試料に適用するための素地であるといえ、紫外領域に高い感度を有する分光検出器を用いることで多くの生体試料に適用することが可能となると期待される。
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Research Products
(7 results)