2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K17758
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
笠原 敦子 金沢大学, がん進展制御研究所, 助教 (00447244)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミトコンドリア動態 / カルシウム調節 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアは、エネルギー供給、アポトーシス、Ca2+、代謝制御など非常に多岐にわたる生命現象に深く関わり、その多面的な機能は非常に動的な形態・構造に由来している。そして、ミトコンドリアは絶えず融合・分裂を繰り返すことで、その品質管理、細胞内局在、サイズ、運動性を細かく調節している。複雑なミトコンドリアの構造は、内膜に局在する dynamin-like GTPase optic atrophy 1 (OPA1) と、外膜に局在するdynamin-like GTPases mitofusin (MFN) 1, 2が融合を、細胞質のdynamin-related protein 1 (DRP1)が分裂を制御することにより、調節、維持されている。本研究課題は、ミトコンドリアの形態や局在の変化により、Ca2+や代謝産物等を介して、がん細胞の遺伝子発現を制御し、がん細胞の幹細胞性、薬剤耐性の獲得・維持にどのように関与しているかを明らかにすることを目指している。 平成29年度は、グリオーマ幹細胞集団での特異的なミトコンドリアの形態、またミトコンドリアと小胞体との距離が、細胞表面のglycocalyx 発現に影響していることを見出した。このグリオーマ分化細胞集団に比べ異なるグリオーマ幹細胞集団のglycocalyx 構造が、直接細胞障害性Tリンパ球によるグリオーマ細胞の認識に関わっていることを明らかにし、報告した。また、分子標的薬耐性の肺がん細胞のミトコンドリア特性を詳細に解析し、ミトコンドリア動態に関わる因子が直接薬剤耐性に関与するかの検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画が概ね達成されており、総じて順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
分子標的薬耐性肺がん細胞の薬剤耐性にミトコンドリア動態、機能がどのように関与しているか、実験の条件検討やマウスの準備等を進め、研究計画がスムースに進むようにする。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] ER-mitochondria contacts control surface glycan expression and sensitivity to killer lymphocytes in glioma stem‐like cells2017
Author(s)
Bassoy Esen Yonca, Kasahara Atsuko, Chiusolo Valentina, Jacquemin Guillaume, Boydell Emma, Zamorano Sebastian, Riccadonna Cristina, Pellegatta Serena, Hulo Nicolas、Dutoit Valerie, Derouazi Madiha, Dietrich Pierre Yves, Walker Paul R, Martinvalet Denis
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Journal Title
EMBO J
Volume: 36
Pages: 1493-1512
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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