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2018 Fiscal Year Research-status Report

Quest for universal description of collective motion of active matter

Research Project

Project/Area Number 17K17761
Research InstitutionJapan Advanced Institute of Science and Technology

Principal Investigator

永井 健  北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (40518932)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywordsアクティブマター / 集団運動 / クラミドモナス / C. elegans
Outline of Annual Research Achievements

平成30年度は生物と無生物の集団運動に共通する法則を見出すために、遊泳する微生物であるクラミドモナスの集団運動の研究を行った。この微生物を界面活性剤で処理をすると細胞膜が剥がれるため、生命活動をしなくなる。この時に細胞骨格は壊れないので、見た目は同じ構造を維持し、鞭毛の構造も維持されている。この構造物はセルモデルと呼ばれる。
セルモデルの懸濁液にATPを加えると、もともと鞭毛であった部分が動き出して遊泳する。この遊泳と生きているクラミドモナスの遊泳は見た目からはほとんど区別ができない。しかしながら、周りの力学刺激に対する応答や環境に対する慣れなど、生きているものしか見せない挙動が存在する。そこで、生物・無生物の共通点と相違点の解明を目指し、両者の集団運動を研究した。
今回用いたクラミドモナスは単鞭毛の変異体である。単鞭毛だと真っ直ぐに泳がずに一箇所で回り続けるため、長時間観察が可能となる。クラミドモナスの密度を徐々に上げていくと、ランダムに3個体が集まる箇所が出てきた。この様になるとお互いがお互いを引き合って、最終的に正三角形を描くように並んだ。更に密度を増やしていくと多くの個体が相互作用しあって三角格子を組んだ。セルモデルの密度依存性を確認したところ同様の挙動を示すことがわかった。
平成30年度は線虫の集団運動に関するモデルの研究も進めた。これまでに線虫集団と同様の構造を作る数理モデルが得られていた。このモデルを改良するために、様々な改変を加えたときの挙動変化を調べた。例えば、個々の粒子に排除体積をもたせたときの集団運動を解析した。その結果、線虫の挙動をより再現できるモデルを見出すことができた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度に自発運動ゲルが使えないことが明らかになって計画の変更が必要となり、当初の計画よりも遅れている部分があった。このような状況で、平成30年度に、クラミドモナスのセルモデルという無生物の遊泳物の研究を進めることができた。これは生きているクラミドモナスと直接比較が可能であり、生物と無生物の集団運動の共通点を探るために最適な研究対象である。このようなものが見つかったので、今後初年度の遅れを取り戻すことができると考えている。
線虫については、初年度よりも挙動を再現できる数理モデルを得ることができた。得られたモデルはガラス面を走る微小管の集団運動の解析にも用いることができるので、集団運動の統一的理解につながる。
これらの状況を総合するとおおむね順調に進展していると言える。

Strategy for Future Research Activity

今後は、平成30年度に得られた生きているクラミドモナスとセルモデルの集団運動に関する動画の解析を進める。画像解析から集団遊泳時の位置ゆらぎや回転速度揺らぎなどを測定し、両者を比べる。また同時に鞭毛波形の観察を進める。鞭毛は3次元的に動くため、通常の観察方法では捉えきれていなかった。これまでに、対物レンズの下にピエゾ素子をつけて高速に上下させることで、多数の焦点面をほぼ同時に撮影することに成功している。このシステムを使って集団運動中の鞭毛波形を観察する予定である。
また、線虫の集団運動に関しても研究を進める予定である。これまで研究してきた数理モデルにより、定常状態の挙動はよく再現されることがわかっている。今後、周期的に変化する温度条件や、基板の上下の振動などを使って外部環境変化に対する応答を調べ、非定常な集団運動についての研究を進める。
微小管の集団運動についても解析を進め、平成30年度に得られた線虫のモデルでどれだけ再現が可能かを調べる。

Causes of Carryover

平成30年度は必要な旅費が予定よりも少なかったので、繰越金が生じた。繰越金は平成31年度の研究成果発表のための旅費に当てる予定である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2019 2018 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] C. elegans collectively forms dynamical networks2019

    • Author(s)
      Takuma Sugi, Hiroshi Ito, Ken H. Nagai
    • Journal Title

      Nature Communications

      Volume: 10 Pages: 683-683

    • DOI

      10.1038/s41467-019-08537-y

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Controlled Construction of Stable Network Structure Composed of Honeycomb-Shaped Microhydrogels2018

    • Author(s)
      Masayuki Hayakawa, Satoshi Umeyama, Ken H. Nagai, Hiroaki Onoe, Masahiro Takinoue
    • Journal Title

      Life

      Volume: 8 Pages: 38-38

    • DOI

      10.3390/life8040038

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Remarks]

    • URL

      https://sites.google.com/site/inonakanokaeru/home

URL: 

Published: 2019-12-27  

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