2019 Fiscal Year Annual Research Report
Quest for universal description of collective motion of active matter
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17K17761
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
永井 健 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 講師 (40518932)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アクティブマター / 集団運動 / クラミドモナス / C. elegans |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では生物と無生物の集団運動に共通する法則を見出すために、遊泳微生物であるクラミドモナス及びセルモデルの集団運動の研究を行った。セルモデルは界面活性剤処理したクラミドモナスである。細胞膜が剥がれてしまっているため、生命活動はしていない。しかし、細胞骨格は壊れないので見た目は元と同じで鞭毛の構造も維持されている。セルモデルの懸濁液にATPを加えるともともと鞭毛であった部分が動き出して遊泳する。 今回は単鞭毛のクラミドモナスを用いた。単鞭毛だと真っ直ぐに泳がずに一箇所で回り続けるため、長時間観察が可能となる。クラミドモナスの密度を徐々に上げていくと、ランダムに3個体が集まる箇所が出てきた。この様になるとお互いがお互いを引き合って、最終的に正三角形を描くように並んだ。セルモデルの密度依存性を確認したところ同様の挙動を示すことがわかった。 本年度はセルモデルとクラミドモナスが見せる集団運動を解析する為に、鞭毛の3次元観察を試みた。対物レンズにピエゾ素子を付けて高速で上下に振ることで高さ方向の変化を観察した。その結果、鞭毛先端が根元よりも1マイクロメートルほど上下にずれた箇所を動いているため、クラミドモナスが底面から見て左回転しやすいことを明らかにした。 本研究では線虫とガラスに固定されたダイニンに駆動される微小管の集団運動も研究し、これまでに線虫の集団運動が非生物の微小管の集団運動と共通のモデルでよく説明できることを見出している。本年度は高湿度下で見られる動かない線虫が作るクラスターを集中的に調べた。クラスター周りの湿度を徐々に下げるか上げるかすると突然、全線虫が活性化されしばらく実験セルの中を動き回り、しばらくするとまた同様の構造を作ることを明らかにした。解析の結果、この湿度変化応答は微小管の集団で実現することが難しい線虫特有のものであると分かった。
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Research Products
(4 results)