2021 Fiscal Year Annual Research Report
Is there shared neural underpinning of movement and social difficulties in autism spectrum disorders
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17K17766
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
岡本 悠子 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (10635139)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 高次視覚野 / 自閉スペクトラム症 / 運動 / 身体 / fMRI |
Outline of Annual Research Achievements |
自閉スペクトラム症(ASD)は、社会性の障害を中核症状とする神経発達症である。ASD児の多くが運動の苦手さを呈するが、運動と社会性に共通の生理学メカニズムがあるか、それとも異なる生理学的メカニズムがそれぞれの症状を引きおこすかは不明である。本研究は、自閉スペクトラム症の運動と社会性の困難さが共通のメカニズムによって生じるか、fMRI研究を用いて検証することを目的としている。特に、2者間コミュニケーションと運動制御・運動認知に共通する脳部位である高次視覚野に着目する。
2021年度はコロナ禍で延期をしていたfMRI実験を再開し、成人の自閉スペクトラム症者と定型発達者の間に高次視覚野における身体表象に違いが求められるか検証した。23名の実験参加者にMRI装置内で身体部位を見る課題を行ってもらい、表象類似度分析(Representational similarity analysis)を用いて両群の脳活動を比較した。その結果、両群とも高次視覚野の身体表象が顔、四肢、胴体によって異なること、群間差は認められないことを明らかにした。さらに、自閉スペクトラム症の特性との関連は認められなかった。この結果は、高次視覚野における身体表象が自閉スペクトラム症者と定型発達者できわめて類似していることを意味するものである(投稿準備中)。学童期の児童生徒を対象にした研究では、この領域に群間差(Okamoto et al. 2017)や自閉スペクトラム症の特性との相関(Okamoto et al. 2020)が認められており、発達的な視点を考慮する必要性が指摘された。
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Research Products
(3 results)