2019 Fiscal Year Annual Research Report
Functional analysis of hedgehog signaling in intestinal development and mapping analysis of the enteric nervous system
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17K17767
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
橋本 隆 愛知医科大学, 医学部, 助教 (60712891)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 解剖 / 発生 / 消化器 / ヘッジホッグ / 解剖学 / 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
四肢発生や中枢神経系の構築にも重要な役割を果たすと考えられるソニックヘッジホッグ(shh)伝達経路について、腸管組織においても関連分子が発現する。その欠失によって形態異常や炎症性ストレスへの感受性が増悪することが報告されているが、その機序を知るための発現動態・局在分布について十分な情報が無い。昨年までは特にGli転写因子について成体マウスにおける局在解析を行い、平滑筋を中心にカハール介在細胞等にも発現していることが明らかになった。一方でムスカリン受容体M2について、福井大学の解剖教室より腸管組織のカハール介在細胞における分布が報告されているが、中枢神経系における分布については不明な点が多い。そこで本年度は当初の予定を変更し、M2の中枢神経系における分布についても免疫組織化学的に検討を行った。大脳皮質では主にⅣ・Ⅴ層に、海馬CA1からCA3野にかけては錐体細胞および上昇層にM2の陽性反応を細胞体・樹状突起ともにみとめた。前脳基底部では内側中隔から対角帯核・水平帯核にかけて顕著な陽性反応を示すとともに、視床では前腹側核で強度の高いM2の反応が見られる他、網様核でも観察された。視床下部領域では脳弓周囲から外側野にかけて繊維状の陽性反応を観察した。橋核の他、延髄で三叉, 顔面, 舌下神経の各運動核でM2の局在が明らかになった。本研究より、M2はアセチルコリンの脳内分布や投射と対応するがその局在はM1を含む他のムスカリン受容体サブタイプとは異なる領域にもみとめられ、M2を介した特有の脳機能調節が存在することが考えられた。これらの結果について、日本神経科学大会および日本組織細胞化学会において報告を行った。
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