2017 Fiscal Year Research-status Report
改良型CRISPR依存的ノックイン法を用いた長鎖非翻訳RNAの生理機能の解明
Project/Area Number |
17K17773
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
泰松 清人 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (10755482)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | zebrafish / genome editing / CRISPR/Cas9 / mutant |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度においては、既存の低分子量タンパク質データーベースを利用し、機能ドメインの有無や進化的な保存性を考慮して、50種類を候補遺伝子として選別した。それらの遺伝子をクローニングし、胚発生期における発現を検出した。その結果から、胚発生期において造血・心血管を含む組織において特異的に高い発現が認められる低分子量タンパク質13種類を解析候補遺伝子として選別した。これらの標的遺伝子座位に対するCRISPR/Cas9を利用したレポーター遺伝子のノックインを試みたが、F1世代において蛍光が認められるノックイン系統は樹立できなかった。一方で、ノックイン実験の過程で、遺伝子破壊された変異体系統が樹立できた。しかし、これまでに複数の変異体系統を樹立したが、致死性の変異体は得られていない。現在、これらの標的遺伝子の変異体系統の表現型解析を行っており、標的遺伝子の発生に伴う発現パターンの変化の情報も含めて論文にまとめる準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度においては、標的遺伝子を選定し、ゲノム編集活性の高いcrRNAを選定した。さらに、遺伝子破壊された個体を選別し、系統を樹立した。現在、樹立した変異体系統の表現型解析を進めている。 このように、樹立した変異体系統において顕著な発生異常は検出されなかったものの、標的遺伝子の発現パターンと表現型解析について論文の準備を行っていることから、本研究はおおむね順調に推移していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、低分子量タンパク質をコードする遺伝子の変異体のうち2系統について、標的遺伝子の発現解析内容を中心に論文を執筆している。 また、作製した変異体の中に、新たに造血機能に異常が認められる系統が単離されたので、そちらの系統についても表現型解析を進めている。具体的には、胚に対して各種血球の染色を行うとともに、各種血球が蛍光を呈する遺伝子組換え系統とかけ合わせ、胚発生における造血異常を詳細に観察する予定である。こちらについても、本年度中に論文にまとめたいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は論文をまとめるための投稿費用を要する。また、研究室の共用の実験動物飼育施設の運用費用について、昨年度は他の研究者が主に負担したため、本年度は当研究者が主に負担することになっていた。そのため、本年度の研究費は昨年度に比べ大きく増加することが予想されたので、昨年度の研究費を繰り越して本年度に使用できるようにするために、昨年度の研究費において未使用分が発生しているのである。 そのため、繰越分については、本年度における論文の投稿費用ならびに実験動物の飼育施設の運用費として主に使用される予定である。
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Research Products
(4 results)