2017 Fiscal Year Research-status Report
CMA-ESを用いたマルチフェーズトポロジー最適化法の開発と光デバイス応用
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17K17778
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
藤井 雅留太 信州大学, 学術研究院工学系, 助教 (90569344)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トポロジー最適化 / CMA-ES / 光学クローク / サーマルクローク / 直流電流クローク / 音響クローク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では多峰性,設計変数間依存性などの困難な性質を含む構造最適化問題に対し,初期推定や戦略パラメータの調整が不要なトポロジー最適化の構築を研究目的としている.これらの困難な性質は,散乱や干渉などの性質を有する波動の制御を目的としたトポロジー最適化において頻出の最適化問題である. 平成29年度はCMA-ESを用いたトポロジー最適化の開発と必要となる制約を課す適応的ペナルティ関数法の開発を行った.初期推定や戦略パラメータ調整が不要となる開発したトポロジー最適化により,性質の悪い最適化問題となる光制御デバイスを設計し,実際に良い性能が得られることを確認した.また,構造に対称性を課した設計自由度が少ない最適化問題においても良い性能を実現することが可能となり,複数の角度からの偏光していない入射光に対して,クローキングが可能な構造を設計することが可能となった.開発した手法により最適化計算の際の試行錯誤が不要となったため,良い性能を実現する最適化構造を得るまでの時間を大幅に短縮することが可能となった.さらに,開発した手法を用いて,光デバイスのみならず,伝熱,音響.電流を制御するデバイス設計を指向したトポロジー最適化に展開することが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である平成29年度においてはCMA-ESに基づいたトポロジー最適化を開発し,その手法の有効性を様々な物理に対して確認することができた.開発した手法は光,伝熱,音響,電流などの異なる物理的問題に対するトポロジー最適化においても高い解探索性能を実現し,より効率的に解探索を行うための制約条件を課す手法の開発にも成功した.これらの成果は著名な国際学術誌に掲載されている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度はまず計算の高速化に取り組む. 幾何的制約を課すために,デバイスの性能を表す目的関数と同時に周囲長(構造の周りの長さ)を最小化するが,周囲長は隣り合う設計変数の符号により値が決まるため,変数間依存性の強い問題になる.それゆえ,周囲長を最小化することに苦戦しているため,設計変数間の依存性を考慮したCMA-ESを開発する.
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Causes of Carryover |
平成29年度は大規模な最適化計算を行わなかったので,計算機を購入しなかったため.平成30年度からは計算の高速化が実装され次第,大規模な最適化計算を始め,すでに大型計算機の見積もりを始めている.
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Research Products
(4 results)